ウッドワン美術館

ウッドワン美術館について

広島県廿日市市吉和に位置するウッドワン美術館（WOOD ONE MUSEUM OF ART）は、公益財団法人ウッドワン美術館が運営している登録博物館です。この美術館は、地元で発祥した住宅建材メーカー「ウッドワン」が収集した美術品を展示するために設立されています。1996年9月に開館し、以来多くの来館者に愛されてきました。

コレクションの概要

美術館のコレクションは、近代日本絵画を中心に、マイセン磁器、アール・ヌーヴォーのガラス作品、清代の陶磁器、幕末明治期の薩摩焼の五つのジャンルから成り立っています。近代日本絵画のコレクションには、合計605点が含まれており、日本画310点、洋画295点からなります。また、マイセン磁器は約150点、アール・ヌーヴォーのガラス作品は約100点、清代陶磁器は約80点、薩摩焼は約70点に及び、さらにその他の美術品も所蔵しています。

特に、印象派の巨匠ルノワールや、オランダの画家ゴッホの作品も収蔵されています。近年では、オークションで高額で落札された名画が話題となり、注目を集めました。たとえば、フィンセント・ファン・ゴッホの「農婦」は、2003年のオークションで6600万円で落札され、その過程が多くのメディアで取り上げられました。

主な収蔵作品

ウッドワン美術館には多くの重要な作品が収蔵されています。たとえば、岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」（1920年）は、日本近代絵画の特色を鮮明に表現しています。また、ルノワールの「花かごを持つ女」と「婦人習作」は、優れた表現力を持つ一対の作品として多くの訪問者に親しまれています。さらに、伝周文による重要文化財「紙本墨画淡彩四季山水図」の屏風も所在しています。

沿革

ウッドワン美術館は、株式会社住建産業（現在の株式会社ウッドワン）によって設立された財団によって運営されています。初代館長には、ウッドワンの元社長である中本利夫が就任しており、彼の出身地である吉和に設立されたことは特に意義深いと言えます。

メディアと地域への影響

美術館は地域社会においても重要な文化発信の場となっており、様々なメディアでも取り上げられています。例えば、広島ホームテレビでは「やまなみ工房の宇宙」などの表現活動が紹介され、また中国新聞では障害者アートに関する展覧会が報じられています。これらの活動は、地域のアートシーンや文化活動を活性化させる効果を持っています。

ウッドワン美術館は、その豊かなコレクションと地域に根ざした文化活動を通じて、訪れる人々に貴重な芸術体験を提供しています。美術館の存在は、地元の文化の発展だけでなく、広域にわたる芸術交流にとっても欠かせないものとなっています。

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