ウルトラマンUSA

『ウルトラマンUSA』とは

『ウルトラマンUSA』（英題：ULTRAMAN: THE ADVENTURE BEGINS）は、1987年にアメリカのハンナ・バーベラ・プロダクションと日本の円谷プロダクションが提携して制作したアニメーション作品です。この作品は、アメリカのニューヨークPYX局などで放送されたテレビ映画として初めて公開され、日本では1989年に劇場版として、特に「ウルトラマン大会」のメインタイトルとして上映されました。上映時間は78分です。

物語の概要

このアニメでは、M78星雲怪獣惑星ソーキンの爆発によって地球に現れたソーキン・モンスターを追い、3人のウルトラ戦士がアメリカ空軍のアクロバットチーム「フライング・エンジェルス」と合体してウルトラフォースを結成し、モンスターに挑む姿が描かれています。ウルトラマンシリーズでは約10年ぶりとなるアニメーション作品であり、この時期日本のテレビシリーズが休止している中、アメリカ市場におけるウルトラシリーズの展開を目指して制作されました。

制作の背景

円谷プロダクションはアメリカでのキャラクター展開を計画し、現地法人ウルトラ・コムを設立しました。初期のリリース案は実写作品でしたが、制作コストの問題からアニメーションへのシフトが決定しました。本作は1987年にパイロット版として製作され、満足のいく評価を受ければテレビシリーズ化や実写版製作の計画もあったものの、興行的には期待外れの結果となり、シリーズ化は実現しませんでした。しかし、子供向け番組としては一定の成功を収めました。

ウルトラフォースのメンバー

本作品で新たに紹介されたウルトラフォースのメンバーは、スコット、チャック、ベスという3人のパイロットで構成されています。特徴的なのは彼らがそれぞれウルトラマンとして変身する点です。彼らは、他のウルトラ兄弟が存在する設定の中で活動しますが、その詳細は本編内では語られません。ウルトラウーマンベスの登場など、女性キャラクターの多様性も目新しい試みでした。

主要キャラクター

• - スコット・マスターソン大尉（ウルトラマンスコット）: 活発で女性に対して積極的な性格。
• - チャック・ギャビン大尉（ウルトラマンチャック）: 落ち着いており、リーダーシップを発揮する。
• - ベス・オブライエン中尉（ウルトラウーマンベス）: 優秀な操縦技術を持つ強気な女性。

敵キャラクター

ウルトラフォースが立ち向かう敵モンスターも多様です。グリンショックスやキングマイラといった、異なる特性を持つモンスターが登場し、エネルギーを集めては戦います。特にキングマイラは、時間とともに巨大化する特性があり、強力な敵として描かれました。

技術的特徴

本作では、アメリカに合わせたデザインや作風が取り入れられたことも特徴的です。特に、ウルトラマンがマントを羽織るデザインが当初提案されたことは、日米間の文化的違いが反映されています。また、アニメーション制作にあたって、当時の技術と情熱が詰め込まれ、モンスターのデザインや戦闘シーンは想像力豊かに表現されました。

公開と評価

アメリカで初放送されたこのアニメは、子供向け番組の中で高評価を得ましたが、興行としての成功には至らず、続編制作の機会は訪れませんでした。それでも、後のウルトラシリーズへの影響は少なくありません。特に、他のメディア作品にも登場し続けています。『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』など、シリーズ間の関連性がこの作品を通じても強調されています。全体として、ウルトラマンの世界観の一端を新たな形で提示した意義深い作品であると言えるでしょう。

まとめ

『ウルトラマンUSA』は、アメリカと日本の文化が交じり合った独特な作品です。過去のウルトラマンシリーズとのつながりや、新しいキャラクターたちの登場が話題となりました。今後もアニメ・映画・漫画などでの展開が期待されています。

もう一度検索