エアロダンシング

エアロダンシングシリーズ

概要

『エアロダンシング』シリーズは、CSK研究所（CRI）が開発したフライトシミュレーターです。特に、セガドリームキャスト向けに展開され、その後一部作品はMicrosoft Windowsへも移植されました。最初の頃は航空自衛隊の訓練を模した教育的な側面が強く、自分がパイロットとなり、実際の航空機を操縦する感覚を楽しむことができます。アーケードの要素やシューティング構造はほとんど含まれていないため、よりリアルなフライト体験が求められます。

シリーズの特徴

ゲーム内で操縦する航空機は実際の航空力学に基づいており、Gや失速、速度域によって異なる旋回性能など、細かな特性まで忠実に再現されています。すべての作品において航空自衛隊の協力を得ていて、日章旗を描いた機体が多く登場します。特に『F』以降は、海外の軍用機モデルも加わるようになりましたが、これらは特定の識別記号が省かれています。

また、シリーズの始まりは航空自衛隊のブルーインパルスによるアクロバット飛行を再現することにあったため、スモークを使用した演技が多く見られ、T-4練習機が主役機としてしばしば登場します。同シリーズでは、練習機や戦闘機が実際の動作に基づいて完全に制御可能です。さらに、特定のマップにおいても自衛隊の基地を模した飛行場が用意されています。

戦闘要素とミッション

『F』以降、ドッグファイトや空中格闘戦に関する要素が加わり、特にミサイルよりも機銃による撃墜が重視され、高難易度な戦闘が楽しめる仕様となっています。いわゆる「エアリアル・コンバット・マニューバ」（ACM）を駆使する必要があり、実際の航空戦術が体験できます。同シリーズのミッションは全体的に難易度が高く、特に空中の三次元動作を理解していないとクリアが難しい場合もあります。

機体の状態によって挙動も変化し、たとえば爆弾やミサイルを積載した状態では機体は重く、損傷を受けた場合は水平飛行さえも厳しくなります。マップ上の仕掛けも豊富で、都市のマップでは自動車が走行している様子や、戦車が発射口をこちらに向けて攻撃してくるなど、様々なギミックが満載です。

グラフィックとリプレイ機能

操縦機体の動きは、当時のゲームとしては非常に精巧で、各舵が動作し、高速運転時には舵の可動角度が減少するなどリアルな再現が施されています。追加機能として、ビジュアルエフェクトが気になるジットエンジンからの黒煙表現や、アフターバーナー使用時の煤の燃焼にも細やかな工夫がされました。

リプレイ機能は特に充実しており、プレイヤーは飛行の録画を残し、その後編集を行ったり、楽しむことができます。この機能は戦闘メインとなった後でも変わらず、多くのユーザーが自らの記録を共有し、楽しんでいました。

キャラクターと物語

登場キャラクターは、物語をさらに引き立てる存在であり、シリーズを通して様々な声優が参加しています。主要なキャラクターには航空自衛隊の隊長や教官が含まれ、彼らの思いやリアルな指導がプレイヤーの体験をより豊かにします。特に轟剛太や山岡清二といった人物は、作品内で重要な役割を果たし、自衛隊の内部事情を垣間見させてくれます。

シリーズはそのまま日本のフライトシミュレーションの地位を確立し、多くのファンを魅了してきました。

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