エイジア

エイジア（Asia）

エイジアはイギリスから誕生したプログレッシブ・ロックバンドで、1982年にデビューし、約35年にわたり活動を続けています。彼らはその本質的な音楽スタイルから「スーパーグループ」として広く認識されており、独特の音楽アプローチと商業的な成功を収めてきました。

結成からデビューまで

エイジアは1970年代末から1980年代初頭にかけて数多くのプログレッシブ・ロックバンドが解散し、新たな才能あふれるミュージシャンたちが登場する中で結成されました。1980年、イエスのメンバーが脱退したことをきっかけに、残ったスティーヴ・ハウとジェフ・ダウンズは新バンドの設立を決定しました。彼らはともに曲作りを行い、最終的に元キング・クリムゾンのジョン・ウェットン、元エマーソン・レイク・アンド・パーマーのカール・パーマーを迎えてオリジナル・ラインナップが揃いました。

バンド名はマネージャーのブライアン・レーンが提案した「エイジア」に決まり、1982年にリリースされたファースト・アルバム『詠時感〜時へのロマン』は、数か月後にはアメリカのビルボードチャートで9週連続1位を獲得し、音楽シーンに強烈なインパクトを与えました。シングルとして発表された「Heat of the Moment」は全米ロックチャートで1位、全米ポップチャートでも4位を記録し、商業的成功を収めました。

初期の成功と変遷

デビュー後、1983年にはセカンド・アルバム『アルファ』を発表しました。このアルバムも全体を通じてウェットンとダウンズによる楽曲で構成され、シングル「Don't Cry」は全米ポップチャート10位に入るなどのヒットを記録しましたが、前作に比べ販売は減少し、バンド内での不和が露呈することになります。

ウェットンは1983年にアルコール中毒を理由に解雇され、グレッグ・レイクが後任に加わりました。彼が加わった初のワールドツアーでは、1983年12月に日本での公演が行われ、MTVによってアメリカに生中継されるなど、多大な注目を集めました。レイクは歌詞を完全には覚えていなかったため、演奏中にモニターを見ながら歌っていましたが、結果的に公演を円滑に終えることができました。

ネクストステップと解散

1984年、ウェットンが復帰しましたが、バンド内の関係は改善せず、ハウが脱退し新しいギタリストを迎えることになりました。サード・アルバム『アストラ』を1985年にリリースしたものの、商業的には前作の成功にはたどり着かず、最終的にはハウとの仲違いによってバンドが活動休止状態となりました。

その後の活動と再結成

1989年には再結成が図られ、エイジア・フィーチャリング・ジョン・ペインが新たに編成されました。続く数年間は、ジョン・ペインの参加を中心に進められましたが、特に2000年代に入ると、元オリジナルメンバーでの再結成の動きが進みました。2005年にはウェットンとダウンズが共作アルバムをリリースし、その後オリジナルメンバーによるツアーが実現しました。さらにオリジナル・ラインナップによるアルバム『フェニックス』も発表され、多くのファンを喜ばせました。

最近の活動と未来

2017年以降、オリジナルメンバーのウェットンとレイクが亡くなり、再結成は難しくなりました。2024年には新たなラインナップで活動再開の発表があり、アルバム制作と北米ツアーが予定されています。エイジアはこれからもその伝説を引き継ぎ、新たなステージを創り続けることでしょう。

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