オオカラモズ

オオカラモズ（大唐百舌）

オオカラモズ（学名：Lanius sphenocercus）は、スズメ目モズ科に属する鳥類です。その名の通り、モズの仲間としては大型で、独特な外見と生態を持っています。

分布

オオカラモズは、主に中国北部から中部、朝鮮半島北部にかけて繁殖します。冬季になると、一部の個体は中国南部へと渡り越冬します。日本においては、冬鳥または旅鳥として記録されることがありますが、その数は非常に少なく、観察されるのは稀です。

形態

オオカラモズは、全長約31cmに達する比較的大きな鳥です。雌雄同色で、外見上の区別は困難です。頭部から背中、腰にかけては美しい灰色をしており、尾は長く、黒色をしています。翼は黒色で、初列風切と次列風切の基部には白い斑があります。この白い斑は、飛翔時に特に目立ちます。また、目の上には白い眉斑があり、目を通る黒い線（通眼線）が特徴的です。

生態

オオカラモズは、開けた農耕地や草原、草木が点在する干拓地などを好んで生息します。繁殖期を除いては、単独で生活することが多いです。電線や枯れ枝、杭などの高い場所にとまり、周囲を観察しながら獲物を探します。また、低空飛行で獲物を探すこともあります。

食性は動物食で、主にネズミなどの小型哺乳類を捕食します。その他、昆虫類や小型の鳥類も食べます。モズと同様に、捕らえた獲物を木の枝などに突き刺す「はやにえ」を行うこともあります。

鳴き声は、「キィ　キィ　キィ」と聞こえる特徴的な声です。

人間との関わり

オオカラモズは、日本では観察機会が少ない鳥ですが、中国などでは比較的普通に見られる鳥です。農耕地などでネズミを捕食することから、農業においては益鳥としての側面もあります。

関連項目

日本の野鳥一覧
モズ
* モズ属

オオカラモズは、その美しい外見と独特な生態から、バードウォッチャーにとって魅力的な鳥の一つです。日本での観察例は少ないものの、いつか出会えることを願って、日々の観察を続けていきましょう。

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