オタフクソース

オタフクソース株式会社

オタフクソース株式会社は、広島県広島市西区に本社を構える、お好み焼き用ソースをはじめとする調味料メーカーです。「オタフクソース」は、その濃厚な風味と独特の粘度で、お好み焼きに欠かせない存在として、日本国内はもとより、海外でも広く親しまれています。

歴史

オタフクソースの歴史は、1922年に佐々木商店として創業した酒・醤油の卸小売業から始まります。1938年には醸造酢「お多福酢」の製造を開始、1950年からはソースの製造にも着手しました。

1952年にはお多福造酢株式会社が設立され、1975年に現在の「オタフクソース株式会社」（初代）へと社名を変更。2009年には、旧オタフクソース株式会社がお多福グループ株式会社へ移行する際に、新たに設立された法人（2代）が現在のオタフクソース株式会社となっています。

オタフクソースの特徴

オタフクソースの最大の特徴は、お好み焼き用途に特化した濃厚な風味と高い粘度です。1952年に業務用として発売されて以来、西日本を中心に広まり、現在では全国的に知られています。また、アジアや欧米など海外へも進出し、その人気は世界へと広がっています。

原材料へのこだわり

オタフクソースは、原材料にも強いこだわりを持っています。以前は砂糖を使用していましたが、価格高騰を機に1975年からはデーツ（干しナツメヤシの実）を代替品として使用するようになりました。砂糖価格がデーツより安くなった現在でも、デーツはソースに深みをもたらす隠し味として使用されています。

かつてはイラク産のデーツを多く使用していましたが、湾岸戦争の影響で使用できなくなった際、イラン、パキスタン、オマーン、エジプトなど、輸入元を切り替えることで安定供給を維持しました。現在では、中東以外の地域からもデーツを調達し、安定供給に努めています。

また、健康志向の高まりからデーツそのものの人気に着目し、2019年には専門部署「デーツ部」を設立。2020年には高級品種「マジョール種」を用いたドライフルーツ「デーツなつめやしの実」を販売し、好調な売り上げを記録しています。

多角的な事業展開

オタフクソースは、ソース製造だけでなく、多角的な事業展開も行っています。

お好み焼き関連事業: お好み焼きの文化や歴史を紹介する施設「WoodEgg お好み焼館」の開設や、お好み焼き体験スタジオ「OKOSTA（オコスタ）」の運営など、お好み焼きの普及に力を入れています。
研修センター: 「お好み焼・たこ焼研修センター」を各地に設け、お好み焼き店やたこ焼き店の開業・運営を支援しています。
海外展開: 台北支店を開設するなど、海外への事業展開も積極的に行っています。
M&A: 天かすメーカー「ナカガワ」をグループ化するなど、事業領域の拡大も図っています。

社会への貢献

オタフクソースは、食文化の発展だけでなく、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。

主な商品

オタフクお好みソース
オタフク焼そばソース
オタフクとんかつソース
オタフクウスターソース
オタフクたこ焼ソース
お多福酢
* デーツ（ドライフルーツ）

まとめ

オタフクソースは、お好み焼き用ソースのリーディングカンパニーとして、味へのこだわり、原材料への探求、多角的な事業展開を通じて、食文化の発展に貢献しています。今後も、お好み焼きの美味しさを世界に広げるとともに、新たな食の可能性を追求していくことが期待されます。

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