オリアス

オリアス（Orias）は、悪魔学において知られる悪魔の一柱であり、オリアクス（Oriax）とも呼ばれます。

『ゴエティア』によれば、オリアスは地獄の30の軍団を指揮する序列59番の大いなる侯爵として記述されています。その姿は独特で、強壮な馬に跨がり、右手に二匹の大蛇を携えた蛇の尾を持つライオンとして描かれています。ただし、一部の解釈では、蛇の尾を持つのはオリアス自身ではなく、彼が乗る馬であるともされています。

オリアスは、占星術と深く結び付けられており、惑星の位置や星の効能に関する知識を人々に教示すると伝えられています。また、人を変身させる能力を持つとも言われ、その力は変幻自在であると考えられています。さらに、地位を与えたり、友人や敵からの好意をもたらす力も持つとされ、人間関係や社会的な立場に影響を与える存在としても認識されています。

参考文献

コラン・ド・プランシー著、床鍋剛彦訳『地獄の辞典』講談社、1990年 ISBN 4-06-201297-9
S.L. MacGregor Mathers and Aleister Crowley, The Lesser Key of Solomon(1904), p41 The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）
Arthur Edward Waite, The Book of Ceremonial Magic(1913), The Internet Sacred Text Archive 内の文書（英文）
Johann Weyer, Pseudomonarchia Daemonum, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書（ラテン語および英文）
* Goetia, Twilit Grotto: Archives of Western Esoterica 内の文書（英文）

これらの文献は、オリアスに関する知識を深める上で貴重な情報源となります。特に、『ゴエティア』は、オリアスの位階や能力、外見に関する基本的な情報を提供しており、悪魔学の研究者にとっては必読の書と言えるでしょう。

オリアスの存在は、単なる伝説や迷信として片付けることはできません。彼は、中世ヨーロッパの知識人たちによって真剣に研究され、その名と能力は様々な魔術書に記録されてきました。現代においても、オリアスは悪魔学や神秘主義の研究対象として、その興味深い側面が探求され続けています。彼の持つ変身の力や人間関係への影響力は、人々の願望や恐れを反映したものであり、文化的な象徴としても重要な意味を持っています。

もう一度検索