オリックス・クレジット

オリックス・クレジット株式会社は、個人や個人事業主を対象としたカードローンを主力商品とする消費者金融会社です。NTTドコモとオリックス株式会社の合弁会社であり、かつては三井住友銀行も資本参加していました。

1979年6月の設立当初はファミリー信販という社名で、総合信販会社としてスタートしました。現在ではクレジットカード会社と誤解されがちですが、実際には店舗を持たないダイレクトマーケティングに特化した営業形態をとっています。顧客との契約は、郵送やインターネットを通じて行われ、融資は銀行振込や提携ATMを通して行われます。1998年頃からは都市銀行との提携により、ATMでの借入や返済も可能となりました。

このダイレクトマーケティング型のビジネスモデルにより、人件費などの運営コストを抑え、他社と比べて低い金利での融資を実現しています。1990年代からグレーゾーン金利での貸し出しは行っておらず、2010年6月のグレーゾーン金利廃止後も、700万円の融資枠で年利4.8％という低金利の契約コースを新設するなど、顧客ニーズへの対応を続けています。ただし、貸金業法の総量規制により、高額融資枠を利用するには相応の収入が求められます。

オリックス・クレジットは、事業拡大のため様々な取り組みを行っています。2009年以降は、住信SBIネット銀行やりそなグループ、大垣共立銀行などとの提携により、銀行カードローンの信用保証業務にも参入しました。また、2001年にはあおぞら銀行と共同で銀行系消費者金融「あおぞらカード」を設立し、そのカードローン事業にノウハウを提供しました（その後、楽天グループに買収され、楽天カードとなりました）。

三井住友銀行との関係も興味深い経緯があります。2009年には三井住友銀行がオリックス・クレジットの株式の過半数を取得し、合弁会社となりました。しかし、2012年にはオリックスが株式を買い戻し、再びオリックスの完全子会社に戻りました。その後も、三井住友フィナンシャルグループとは新たな提携関係を結び、協調関係を維持しています。

近年では、親会社であるオリックスとの関係強化を図りつつ、新たなビジネスチャンスを模索しています。2024年3月にはNTTドコモがオリックスからオリックス・クレジット株式の66％を取得し、傘下に収めました。これにより、オリックス・クレジットはNTTドコモグループの一員となりました。そして、2024年11月には、2025年4月1日に商号を株式会社ドコモ・ファイナンスに変更する予定であると発表されました。

オリックス・クレジットの主な商品は、主力商品のVIPローンカードをはじめ、年齢層や性別をターゲットにしたVIP Y'S CARD、VIP Lyrα CARD、個人事業者向けのORIX CLUB CARD、事業者向けローンであるORIX CLUB ビジネスローン、VIPローンカードBUSINESSなど、多様なニーズに対応した商品ラインナップを展開しています。金利は商品によって異なり、1.7％から17.8％の幅があります。ヨドバシカメラやPonta、ベネフィット・ステーション、日本直販といった企業との提携カードも提供しています。

オリックス・クレジットは、今後もダイレクトマーケティングを強みに、低金利と多様な商品展開で、個人や事業者向けに幅広い金融サービスを提供していくことが予想されます。

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