オーブントースター

オーブントースター：手軽で便利な調理器具

オーブントースターは、コンパクトなオーブン型の電気調理器具として、日本の家庭に広く普及しています。その手軽さから、トーストはもちろん、様々な料理に利用できる万能さが魅力です。

構造と機能

オーブントースターは、一般的に前面に開き戸を持つ箱型で、内部には上下にヒーターが配置された棚があります。この棚に調理物を置き、上下から加熱します。棚のサイズは食パン2枚程度が一般的ですが、小型で2段式の製品もあります。

多くの製品は、ゼンマイ式タイマーと電源スイッチを兼ねたシンプルな設計です。上級モデルには火力調整機能や電子制御タイマーが搭載され、より精密な温度管理が可能になっています。安全性を考慮し、庫内温度が上昇しすぎるとヒーターが自動的にオフになるサーモスタットが搭載されているのが一般的です。ただし、連続使用時は庫内が十分に冷えるまで待つ必要があります。

かつては、時間や火力などを個別に調整できるスイッチが複数ありましたが、近年はサーモスタットによる自動調整が主流となり、シンプルなタイマーのみの製品が増えています。

使い方と用途

オーブントースターは、その形状からトースト以外にも幅広い用途があります。ポップアップトースターと異なり、大きささえ合えば様々な食材を全体的に加熱できるため、グラタンなどの調理にも利用できます。その手軽さから、一人暮らしの学生などにも重宝されています。オーブンレンジの普及にもかかわらず、オーブントースターは直接加熱による強火力で、餅など火の通りにくい食材を美味しく調理できるため、多くの家庭で併用されています。遠赤外線効果により、ガス火よりも効率よく食材を加熱できる点もメリットです。

厚切りパンやロールパンなどのトーストも可能です。また、チーズやハムなどを乗せてアレンジしたトーストも手軽に作れます。メーカーによっては、トーストを取り出しやすいオートリフトバーが搭載されている機種もあり、火傷防止に役立ちます。オートリフトバーを使用する際は、電源を切り、本体が冷めてから操作する必要があります。パン以外の調理をする際は、こぼれないよう注意し、受け皿を使用してください。

注意点と清掃

オーブントースターを使用する際は、火災予防に注意が必要です。パンくずなどが底に溜まりやすく、放置すると発火の危険性があります。底板を取り外して清掃できる機種もありますが、オーブンと比べて内部の清掃は容易ではありません。清掃時は、必ず電源を切り、本体が完全に冷めてから行ってください。また、前面ドアが外せる機種もありますが、水洗いできるのはトレーや焼き網のみです。ドアを水洗いすると、ガラスやヒーターが破損する可能性があります。

主要メーカー

現在、オーブントースターを製造している主なメーカーには、パナソニック、日立グローバルライフソリューションズ、東芝、シャープ（ウォーターオーブンのみ）、アイリスオーヤマ、オーム電機、タイガー魔法瓶、象印マホービン、アラジン、コイズミ、ツインバード、バルミューダなどがあります。過去には三菱電機や三洋電機も製造していましたが、現在は生産を終了しています。

まとめ

オーブントースターは、手軽さと多様な用途で人気の調理器具です。しかし、安全な使用方法と適切な清掃を心がけ、長く安全に使い続けることが大切です。

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