カラーひよこ

カラーひよことは

カラーひよことは、ニワトリの雛であるヒヨコの羽毛を染料で着色したものです。主に愛玩用として、お祭りや縁日などで販売されていました。

日本での歴史

昭和時代、日本ではお祭りなどの夜店で、カラーひよこが人気商品として登場しました。当時は、採卵用に孵化した雄のヒヨコは、成長しても卵を産まず、食肉用としても効率が悪かったため、その活用法に苦慮していました。そこで、これらのヒヨコに赤や青、緑、ピンクなど、カラフルな着色を施し、子供たちの興味を引くことで販売を促進しました。

通常、ヒヨコは1羽ずつしか購入しないことが多いですが、色が違うことでコレクター心理を刺激し、一度に何羽も購入するケースが多く見られました。着色方法は、主に繊維用の染料を水で薄め、ヒヨコを浸したり、エアブラシで吹き付けたりする方法が用いられました。

しかし、カラーひよこは、購入されるまでの過程で劣悪な環境に置かれることが多く、短時間で染料を乾燥させるために強力な熱風を浴びせ続けられたりしました。そのため、購入後すぐに死んでしまうことも少なくありませんでした。その短命さから、的屋の世界では「ハヤロク」と呼ばれていました。また、順調に成長したとしても、着色された羽毛は抜け落ち、新しい羽毛が生えてくると、元の色ではなくなり、普通のニワトリと同じ姿になってしまいます。

近年では、動物愛護の意識の高まりから、日本国内でカラーひよこが販売されることはほとんどなくなりました。漫画家のさくらももこさんのエッセイや、黒柳徹子さんの著書「窓ぎわのトットちゃん」にも、カラーひよこに関するエピソードが描かれています。

海外での状況

現在、カラーひよこは世界中に広まっており、市場や縁日などで人気を集めています。しかし、その一方で動物虐待の問題も指摘されています。

東南アジア

タイ、フィリピン、インドネシアなどでは、現在もカラーひよこがよく販売されており、特に子供たちに人気です。赤、ピンク、紫、緑などに着色されることが多いようです。

中国

中国では、「彩色小鶏」という名前で販売されています。地方都市では1羽1元程度と、非常に安価で手に入るため、子供たちに人気があります。また、カラーひよこに加えて、肌に直接レーザーで塗料を焼き付けた「彩色蛙」も登場し、こちらは数年間色が落ちないため、水族館などでも人気を集めています。

アメリカ大陸

アメリカ、メキシコ、グアテマラなどでも、市場でカラーひよこが販売されています。赤、緑、紫、オレンジなど、鮮やかな色が好まれる傾向にあります。

中東

イランの都市エスファハーンのバザールでは、白、黄色、緑、オレンジ、薄紫、濃い紫など、様々な色のカラーひよこが販売されています。モロッコやイエメンでも、カラーひよこの販売が確認されています。

まとめ

カラーひよこは、かつては日本で人気を集めた愛玩動物でしたが、その裏には動物虐待の問題も存在しました。現在では、日本国内での販売はほとんどなくなりましたが、海外では今もなお、多くの国で販売され、子供たちに人気を集めています。カラーひよこは、単なるおもちゃではなく、命ある生き物であることを忘れてはなりません。

関連項目

* 世界残酷物語 - カラーひよこの製造過程が登場します。

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