カンノーロ

カンノーロ

カンノーロは、イタリアのシチリア島に由来する独特なペストリー菓子で、現在では世界中で親しまれています。このお菓子は、外側のパリッとした生地に甘いクリームが詰まった筒状の形が特徴です。シチリアでは特に人気があり、謝肉祭のお祝いとして食べられることが多く、イタリア系アメリカ人の間でも非常に好まれています。

語源と形状

「カンノーロ」という名前は、ラテン語の「カンナ」（canna）に由来し、「小さな筒」という意味を持ちます。このことからも、カンノーロの筒状の外見が象徴されています。元々はサトウキビの茎を利用して円筒形に揚げられていましたが、現在はその使用は制限されています。

カンノーロの生地は小麦粉を基にし、スパイスや酒などが加えられた生地を薄く延ばして作ります。これを金属の円筒に巻き付け、低温の油で揚げて完成させます。内側には、リコッタチーズ、砂糖、バニラ、チョコレート、ピスタチオ等の風味が効いたクリームが詰められます。クリームのバリエーションは多種多様で、牛乳のリコッタを使用することもありますが、シチリアでは羊乳のリコッタが特に好まれています。

現在のカンノーロの製法

カンノーロ作りには、揚げた皮が湿気を吸ってしまうため、食べる直前にクリームを詰めるのがベストです。このため、注文を受けてからクリームを詰める「カンノーロ・エスプレッソ」と呼ばれるスタイルが一般的です。カンノーロのサイズは多様で、ミニサイズから大きなものまであり、そのバリエーションを楽しむことができます。

世界記録と文化的な側面

カンノーロはその人気から、ギネス世界記録にも認定される大きなものが作られています。特に、ピアーナ・デッリ・アルバネージでは、毎年世界一長いカンノーロ制作の挑戦が行われています。2004年には4メートル84センチの記録が達成されました。

また、カンノーロは文化的にも重要な食べ物であり、イタリアの謝肉祭に存在する「テスタ・ディ・トゥルコ」と呼ばれるカンノーロの派生菓子もあります。このデザートはリコッタクリームで満たされ、大きな兜の形になっているため、見た目にも豪華です。

アメリカにおける人気

アメリカ合衆国では、ニューヨークやボストンなどにあるイタリア菓子専門店でカンノーロを楽しむことができます。アメリカ独自のアレンジとして、リコッタの代わりにマスカルポーネを使用することが一般的です。この変化は、早期のシチリア移民が手元にある材料を使う過程で生まれました。代わりに果物の砂糖漬けではなく、チョコレートを混ぜることが多いです。

映画やメディアでのカンノーロ

映画『ゴッドファーザー』では、「銃は置いていけ、カノーリを取ってこい」とのセリフが登場し、カンノーロに対する認知度を高めるきっかけとなりました。この言葉はイタリア系アメリカ人の文化を象徴するシーンとして、多くの人に記憶されています。また、カンノーロは『ザ・ソプラノズ』や『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』などのテレビシリーズでも取り上げられ、その人気は留まるところを知りません。

まとめ

カンノーロはシチリアの伝統的なデザートとして、また多くの文化に影響を与えるフードアイコンとして、今なお愛され続けています。

もう一度検索