カービュー

株式会社カービュー：日本の自動車情報メディアを牽引した企業の歩み

株式会社カービューは、かつて日本における自動車情報メディア業界を代表する企業でした。マイクロソフト、ソフトバンク、ヤフーというIT業界の巨人たちの合弁会社として誕生し、数々の革新的なサービスを展開することで、日本のカーライフ文化に大きな影響を与えました。しかし、2022年7月1日、ヤフー株式会社への吸収合併によりその歴史に幕を閉じました。本稿では、カービューの設立から解散までの歩み、事業内容、そして関連会社などを詳細に解説します。

設立から成長へ：多角的な事業展開

1996年9月、ソフトバンクの子会社としてスカイスポーツ企画株式会社として設立された同社は、その後、カーポイント株式会社、カービュー株式会社と社名変更を繰り返しながら成長を遂げました。1999年11月には、自動車情報サイト『carview!』（旧『carpoint.ne.jp』）の運営を開始。これは同社の事業の基盤となり、日本最大級の自動車情報サイトへと発展しました。

2000年には中古車査定仲介サービスを開始し、ユーザーの利便性向上に貢献。翌年には、中古車輸出支援サイト『tradecarview.com』の運営も開始しました。2004年8月には、カービューの事業を大きく飛躍させる転機となるサービス、『みんカラ』の提供を開始しました。『みんカラ』はユーザー数100万人超を誇る日本最大級のクルマSNSとして、カーライフを楽しむ人々のコミュニティ形成に大きく貢献しました。

2007年には東京証券取引所マザーズ市場へ上場。その後も、大阪支社の開設やケニアへの進出など、積極的な事業展開を続けました。2012年には、ソフトバンクが保有する株式の多くをヤフーに譲渡し、ヤフーの連結子会社となりました。そして、2015年にはヤフーによる完全子会社化を経て上場廃止となりました。

多様なサービスと関連会社

カービューは、『carview!』、『みんカラ』以外にも、多様なサービスを提供していました。中古車査定仲介サービス『買取カービュー』、ヤフオク!の自動車カテゴリ運営、そして、クルマのパーツ交換や整備スキル売買のシェアリングエコノミーサービス『pitte』など、自動車に関わる幅広いニーズに対応したサービスを展開していました。

また、国内外に関連会社を設立し、事業の多角化を図っていました。日本国内では、Safari、KENKEY、トレードカービューなど。海外では、ケニアのCARVIEW KENYA LIMITEDやザンビアのCarview Zambia Limitedなどがあります。これらの関連会社を通して、グローバルな事業展開を目指していました。

ヤフーへの吸収合併と歴史の終焉

2022年7月1日、カービューはヤフーに吸収合併され、解散しました。長年に渡り日本の自動車情報メディア業界を牽引してきた企業の解散は、多くのユーザーに惜しまれつつ、一つの時代が終わったことを意味しました。しかし、カービューが提供してきたサービスや培ってきた技術、そしてユーザーコミュニティは、日本のカーライフ文化に大きな足跡を残しました。

類似企業

カービューと同様に、自動車情報メディア事業を展開する企業として、Response、オートックワン、プロトコーポレーションなどが挙げられます。また、Impress Watchも自動車情報サイト『Car Watch』を運営しています。これらの企業は、カービューの後継者として、日本の自動車情報メディア業界を支えています。

まとめ

株式会社カービューは、その設立から解散まで、日本の自動車情報メディア業界に多大な貢献を果たしました。革新的なサービスの展開、積極的な事業展開、そしてグローバルな視点を持った経営は、後世に大きな影響を与え続けると考えられます。その歴史は、日本のインターネット産業、ひいてはカーライフ文化の歴史の一部として、長く記憶されるでしょう。

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