キム・ドンファン

キム・ドンファン：軽薄さと家族愛の狭間で揺れる格闘家

キム・ドンファンは、SNKの対戦型格闘ゲーム『餓狼 MARK OF THE WOLVES』（以下、『MOW』）や『ザ・キング・オブ・ファイターズ』（以下、『KOF』）シリーズに登場する人気キャラクターです。有名な格闘家、キム・カッファンの長男であり、弟にはキム・ジェイフンがいます。

キャラクタープロフィール：遊び人？それとも家族思い？

シリーズを通して、ドンファンは軽妙洒脱で遊び好きな性格として描かれています。練習をサボってナンパするなど、型破りな行動が目立ち、父カッファンからは度々叱責を受けています。弟のジェイフンからは呆れられることも少なくありません。しかし、その裏には人一倍優しい心と、家族への深い愛情が隠されています。大会への参加理由も、弟を助けるためであるなど、家族思いな一面が強く示唆されています。

『MOW』では、黒い道着に角刈り風の髪型という、父とは大きく異なる風貌で登場します。軽薄な振る舞いが前面に出されていますが、実は父を深く尊敬し、陰では厳しい修行を積んでいる努力家でもあります。その高い格闘センスは、独自の技のアレンジにも表れています。

『KOF』シリーズでは、『KOF'94』の韓国チームのバックストーリーで、チャン・コーハンの脱獄情報を父カッファンに伝えるなど、家族以外の人間関係も見られます。『KOF 2000』では、チャン・コーハンのアナザーストライカーとして参戦しています。

特徴的なのは、彼独自の挑発モーションやストライカー動作で見られる「ポンペ踊り」です。また、『MOW』では、超必殺技や潜在能力でフィニッシュを決めると、背後から現れたカッファンに叱責される演出も存在し、親子関係の深さを改めて感じさせます。

技の解説：父譲りの格闘技と独自の進化

ドンファンの技は、父カッファンの技をベースに、彼独自のスタイルが融合されています。基本となる投げ技は、襟元をつかんで後方に叩きつける「体落とし」や、空中で相手の首を両足で挟んで捻り落とす「体捻り」など、迫力満点です。

特殊技には、高くジャンプする「スーパージャンプ」や、壁を蹴って更に高く飛ぶ「三角跳び」があり、これらの技は、後述する必殺技や超必殺技との連携にも活用されています。また、「後ろ蹴り」はめくり技として有効ですが、間合い調整が難しいという特徴も持っています。

必殺技には、カッファンの「半月斬」をアレンジした「雷鳴斬」、回転蹴りを繰り出す「空砂塵」、左右の足を交互に蹴り出す「飛翔脚」、地面を蹴って電気を流す「紫電脚」、様々な蹴りを組み合わせた「足ビンタ」などがあります。

そして、超必殺技（潜在能力）には、「飛翔脚」と「空砂塵」を組み合わせた「スーパードンファン脚」、「雷鳴斬」を強化した「雷鳴弾」、そして突進系の乱舞技「オレ様鳳凰脚」が存在します。「オレ様鳳凰脚」は、カッファンやジェイフンの「鳳凰脚」を彷彿とさせる技ですが、ドンファンの独自アレンジが加えられています。その威力はドンファンの技の中でも最高峰です。

まとめ：複雑な魅力を持つキャラクター

キム・ドンファンは、軽薄な表面の下に秘めた家族愛、そして高い格闘センスと努力を兼ね備えた、奥深い魅力を持つキャラクターです。独特の技の数々と、父カッファンとの関係性も大きな見どころであり、彼の活躍は多くのプレイヤーを魅了し続けています。彼の登場する作品を通して、その複雑な魅力を堪能できるでしょう。

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