キャロル

キャロルとは

キャロルは、元々は踊りのための民謡として存在していましたが、時とともに宗教的な礼拝の中で歌われるようになり、現在では祝歌や頌歌と訳される賛美歌の一種として認識されています。特に、クリスマスの時期に歌われるクリスマスキャロルが広く知られています。イースターキャロルという言葉も存在しますが、より限定的な範囲で使用されています。

キャロルの語源は、フランス語の「Caroller」（歌で伴奏されたサークルダンス）に由来し、さらに遡るとラテン語の「Choraula」にたどり着くと考えられています。

キャロルの歴史

キャロルは、1150年代から1350年代にかけて、ダンスソングとして非常に人気がありました。その後、祭りの際に歌われる行列聖歌として使用が拡大しました。また、宗教的な神秘劇（1591年に書かれた「コヴェントリー・キャロル」など）の伴奏音楽としても用いられました。

プロテスタントの宗教改革によって宗教的な祭りが禁止された時期がありましたが、17世紀後半になるとキャロルを再び書くことが可能になりました。この時期には、非宗教的なキャロルに新しいキリスト教的な歌詞が与えられることが多くありました。また、教会よりも酒場で歌われる賛美歌のようなキャロルも多く作られました。

クリスマスキャロル

クリスマスキャロルは、キリスト教文化圏において、クリスマスイブの夜に人々が歌う「キャロル（歌）」で、「クリスマス聖歌」とも呼ばれます。キリスト教の救世主であるイエス・キリストの誕生を祝い、その誕生にまつわる様々な場面や逸話を歌詞にした歌です。

代表的なクリスマスキャロルには、「きよしこの夜」（Stille Nacht, heilige Nacht）、「荒野の果てに」（Les anges dans nos campagnes）、「もろびとこぞりて」（Joy to the World）などがあります。欧米では、クリスマスイブの夜に、教会に集まった子供たちが街の家々を訪ねてクリスマスキャロルを歌う習慣があり、これは英語で「キャロリング」（Caroling）と呼ばれています。

その他にも、「コヴェントリー・キャロル」（Coventry Carol）は幼児虐殺の逸話を歌ったキャロルとして知られています。「ウェンセスラスはよい王様」（Good King Wenceslas）は、ボヘミア公であったヴァーツラフ1世をモデルにしていると言われています。また、チャールズ・ディケンズの作品『クリスマス・キャロル』にも登場する「世の人忘るな」（God Rest Ye Merry, Gentlemen）も有名なクリスマスキャロルの一つです。

ポピュラー音楽におけるキャロル

キャロルは、ポピュラー音楽のタイトルとしてもよく用いられています。

「Carol」 - チャック・ベリー（ローリング・ストーンズもカバー）
「12番街のキャロル」 - 谷村新司と佐藤隆の合作
「CAROLS」 - 浜崎あゆみ
「キャロル」 - 湯川潮音

関連項目

クリスマス・キャロル
賛美歌
en:List of Christmas carols（クリスマス・キャロルの一覧）

外部リンク

聖歌とクリスマスのキャロル - 情報サイト（英文）

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