ギターヒーロー
『ギターヒーロー』（Guitar Hero）は、ハーモニクス・ミュージック・システムズが開発した音楽ゲームです。通称「ギタヒロ」として知られています。
レッドオクタンからPlayStation 2用のゲームとして発売されました。シリーズ第1作であるこのゲームは、2005年11月8日に北米で、2006年4月7日にオーストラリアでリリースされました。開発のきっかけは、ハーモニクスとレッドオクタンが「北米版GUITARFREAKSのようなゲームを作ろう」と考えたことでした。
このゲームの最大の特徴は、ギター型の専用コントローラーを使用することです。プレイヤーは、画面に表示される楽譜に合わせてコントローラーのボタンを押すことで、ロックミュージックを演奏する感覚を味わえます。収録されている楽曲は、1960年代から2005年までの30曲のカバーバージョンで、中にはインディーズバンドのボーナストラックも含まれています。
発売後、このゲームは驚異的な売上を記録し、各ゲーム雑誌で数々の賞を受賞しました。これにより、ギターヒーローというブランドの売上は10億ドルを突破し、続編や拡張パック、関連商品が多数発売されました。続編については、後述の「シリーズ作品」の項で詳しく解説します。
リードデザイナーのロブ・ケイによると、このゲームはコナミの『ギターフリークス』から直接インスピレーションを受けて開発されました。当時、レッドオクタンは家庭用ダンスゲーム『Dance Dance Revolution』のダンスパッドを開発しており、レンタルサービスも運営していました。そのレンタルサービスで人気を集めていたのが『ギターフリークス』でした。
コナミは当時、アメリカで『ギターフリークス』を発売しておらず、アメリカ版の計画もあったものの、ギター型コントローラーに関わる法的問題で実現が難航していました。そこで、レッドオクタンのケイとチャールズ・ファンは、コントローラーとゲームをアメリカで開発することを決意しました。
この斬新なアイデアは、複数のゲーム開発者から却下されましたが、ファンらは175万ドルの資金を集めることに成功しました。アクレイム・エンタテインメントの創設者の一人であるグレッグ・フィッシュバックは、「誰がそんなゲームで遊ぶんだ？」と企画を却下したことを、後に後悔したと語っています。
ファンらは、音楽ゲーム『Frequency』や『Amplitude』、『Karaoke Revolution』を開発したハーモニクスに、ギター型コントローラーを使ったゲームのアイデアを持ち込みました。約100万ドルの資金（ケイによると、この金額はコンピュータゲーム開発としては低予算とのこと）で、両社は『ギターヒーロー』の開発で協力することになりました。ケイは当時、「大成功を収めようとは考えていなかった。ただ、楽しめるものを作ろうと思っていた」と語っています。
ハーモニクスの代表アレックス・リゴポロスは、マイクロソフトに『Frequency』の企画を持ち込んだ際、独自のハードウェアを持たない音楽ゲームは成功しないと言われたことが、『ギターヒーロー』の制作に影響を与えたと語っています。
開発チームは、ギター型コントローラーがゲームの核となる要素だと直感しました。ゲームを際立たせるため、3つのゲームプレイの要素が導入されました。それは、音符に合わせてボタンを押すだけでなく、ワーミーバーを使ったり、コントローラーを傾けたりすることで、よりゲームを楽しめるようにすることでした。さらに、「スターパワー」という要素を導入することで、ゲームに深みが加わり、何度もプレイしたくなるような仕組みが作られました。
当初、ハーモニクスは『ギターフリークス』のサードパーティー製コントローラーを使用していましたが、後にレッドオクタンが『ギターヒーロー』用のコントローラーのプロトタイプを用意しました。当初は、フレット部分に感圧式のボタンを付けることで、本物のギターのように演奏できるような案もありましたが、操作が難しくなりすぎるという理由で見送られました。
ワーミーバーで「スターパワー」を増幅したり、長い音符の音程を変えるというアイデアは、ゲーム完成の約1ヶ月前に考案されました。また、プレイヤーが即興演奏を楽しめるようフリースタイルモデルも開発しましたが、エキサイティングなゲームにするのは難しいと判断され、最終的には見送られました。
ゲーム内の楽譜である「ジェム・トラックス」は、ハーモニクスが制作したもので、1曲あたり1日かけて制作されました。楽譜は、プレイヤーが素晴らしいミュージシャンになりきれるようにデザインされています。また、難易度はソフトウェアのアルゴリズムで調整されており、品質保証チームはゲーム全体の難易度がちょうどよくなるまで、曲目や楽譜を何度も調整しました。
制作開始時、チームはどの曲を収録するか決めていませんでした。30～40曲程度を収録する予定でしたが、リストアップした結果、100曲にも膨れ上がりました。収録する曲はハードロックを中心に選曲されましたが、著作権の問題で使用できる楽曲が限られていました。その一方で、若いプレイヤーにロックの名曲を知ってもらう道徳的な義務があると考え、ラモーンズの「アイ・ワナ・ビー・シディテッド」などを収録することにしました。
ハーモニクスは、曲の人気度と難易度のバランスを何度も見ながら、曲の追加や削除を行い、開発期間中に収録楽曲を調整しました。権利関係のクリアできた楽曲のカバーはWaveGroup Soundが担当しました。多くのカバー曲のリードギターは、ドリストのメンバーであるマーカス・ヘンダーソンが担当しました。WaveGroup Soundはエフェクトの再現も行っており、例えば、ブラック・サバスの「アイアン・マン」の原曲で、オジー・オズボーンが金属製の扇風機の前で歌っていたことを再現するため、Craigslistで同じ型の扇風機を手に入れ、その効果を再現した状態で収録しました。
ボーナス曲の演奏には、ハーモニクスの社員も何らかの形で参加しています。また、バンドからオリジナル曲を募集し、ゲームに採用する「Be a Guitar Hero」という企画も開催されました。その結果、Graveyard BBQの「Cheat on the Church」が選ばれました。さらに、オジー・オズボーンのギタリストだったザック・ワイルドのリクエストにより、彼のバンド、ブラック・レーベル・ソサイアティの「Fire it Up」もボーナス曲として収録され、出荷直前で収録楽曲が決定しました。
開発当初のグラフィックは、『ポン』のようなシンプルなものでしたが、リードアニメーターのライアン・レッサーが、美術スタッフの音楽の好みを反映させた結果、現在のようなグラフィックになりました。また、FrequencyとAmplitudeでの経験から、抽象的な映像ではユーザーがゲームの世界に入り込めないことを悟り、『Karaoke Revolution』でも用いられた、ミュージシャンのライブアニメーションを導入しました。ゲーム内のアニメーションのモーションキャプチャにはHouse of Movesも協力しました。「スターパワー」の演出は電気をモチーフにしており、エレキギターのイメージとともに、ゲーム内のミュージシャンのパフォーマンスと観客の盛り上がりを表現しています。
リリース当初は、ギブソンSGを模したコントローラーとソフトのセットで69.99ドルで販売されていました。その後、ソフトとコントローラーは別売りされ、レッドオクタン製以外のサードパーティー製コントローラーも発売されました。ギター型コントローラーを開発していたマッドキャッツも、Xbox版の開発に携わる予定でしたが、コナミがマッドキャッツを訴訟したため、開発から撤退せざるを得なくなりました。
このゲームは、他の音楽リズムゲームと同様に、画面に表示される音符に合わせて専用コントローラーのボタンを押すことで楽曲を演奏します。このシステムは、コナミの『ギターフリークス』がベースになっています。専用コントローラー（ギブソン・SGを3/4スケールにしたもの）のほか、サードパーティー製のコントローラーも使用可能です。また、通常のコントローラーでもプレイできます。
専用コントローラーには、指板を表す5色のボタンと、ネック近くのナット、ボディにはワーミーバーとストラムバーがあります。また、メニュー選択用のボタンも付いています。画面には音符が流れ、対応するボタンを押さえ、音符が画面上の特定のエリアに達したらストラムバーを操作して演奏します。音符の流れが速い場合は、ハンマリングオンやプリングオフのテクニックも必要になります。コントローラーは左右どちらの手でも使いやすいように設計されています。
通常のコントローラーを使う場合も、画面に合わせてボタンを押します。正しいボタンを押し、コードやサステインを正しく使うことで、スコアを獲得できます。連続して音符をうまく演奏すると、得点が倍増します。
「ロックメーター」は、プレイヤーのミスに基づいて変動し、メーターが一定以下になるとゲームオーバーになります。光る音符に合わせて完璧に演奏し、サステイン中にワーミーバーを使うと、「スターパワー」を溜めることができます。スターパワーが半分以上溜まると、コントローラーを垂直に持ち上げるか、ボタンを押すことで発動できます。スターパワー発動中は、得点が2倍になったり、ロックメーターが上昇したりします。これにより、難易度の高い曲でも最後まで演奏することが可能になります。
主なプレイモードは「キャリアモード」です。このモードでは、プレイヤーはゲーム内のバンドマンとして、様々なライブ会場を巡り、各会場で4～5曲を演奏します。キャリアモードで演奏をクリアすると、他のモードでプレイできる曲が増えます。キャラクターとギターは、ゲームプレイには影響しませんが、自由に選択可能です。キャリアモードでは演奏することでゲーム内のお金を稼ぐことができ、このお金を使って、追加曲やギター、フィニッシュなどのボーナスコンテンツを購入できます。
「クイックモード」では、すべての曲を自由にプレイでき、難易度、ギター、キャラクター、会場も選択できます。キャリアモードまたはクイックモードで演奏を終えると、ゲームが演奏を評価し、5段階でスコアが表示されます。
「マルチプレイヤーモード」では、2人のプレイヤーが同じ曲を演奏し、得点を競います。画面には2つのフレットが表示され、より高いスコアを獲得したプレイヤーが勝利します。すべての曲は4段階の難易度に分かれており、プレイヤーは自分のレベルに合わせて練習できます。「イージー」では3つのボタン、「ミディアム」では4つのボタン、「ハード」では5つのボタンすべてを使用します。エキスパートモードでは、フレットが表示されなくなります。
『ギターヒーロー』には、47曲が収録されており、そのうち30曲は、WaveGroup Soundがカバーした有名な楽曲です。カバー曲には「as made famous by」という文章が表示されます。残りの17曲はインディーズバンドのマスターレコーディングです。
ソロキャリアモードで最初から使える楽曲は、難易度別にステージに分けられています。各曲には「イージー」、「ミディアム」、「ハード」、「エキスパート」の4つの難易度があり、難易度によって音符の数や流れる速さが異なります。各難易度にはクリア条件があり、低難易度では3～4曲の完奏でクリアとなりますが、最も高い難易度では、そのステージの5曲すべてを完奏する必要があります。一つのステージをクリアすると、そのステージの楽曲が解放され、速弾きモードや対戦モードでも使用できるようになります。カバー曲は、iTunesのようなダウンロードショップ「The Guitar Hero Recordings」でも購入可能です。
ボーナス曲は全部で17曲あり、キャリアモードで得た仮想通貨を使って、ゲーム内のショップから購入できます。購入後は、キャリアモード、速弾きモード、対戦モードのどの難易度でもプレイできるようになります。
以下の2曲はプレスリリース時に使用されましたが、GameShark、Code Breaker、プロアクションリプレイといったチートを使用しないとプレイできません。
「Graveyard Shift」- 不明
「Trippolette」- ハーモニクスの制作チームに参加したバークリー音楽大学の作曲家アンドリュー・ブッハによる作品で、『Rock Band Network』でもダウンロード可能
『ギターヒーロー』は、数々の賞を受賞しています。
IGNの「Best of 2005」では、「Best Music Game」、「Best PlayStation 2 Music Game」、「Best Licensed Soundtrack」、「Best Licensed Soundtrack for PlayStation 2」、「Best Offline Multiplayer Game」、「Best PlayStation 2 Offline Multiplayer Game」、「Best Gaming Peripheral」（ミニギブソンSGコントローラー）を受賞。
GameSpotの「Best and Worst of 2005」では、「Best Puzzle/Rhythm Game」、「Most Metal」、「Reader's Choice – Best Puzzle/Rhythm Game」を受賞。
ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワードでは、「Excellence in Audio」、「Excellence in Game Innovation」を受賞。アカデミー・オブ・インタラクティブ・アーツ＆サイエンス主催の2005年度インタラクティブ・アチーブメント・アワードでは、「Game of the Year」、「Outstanding Achievement in Game Design」、「Outstanding Achievement in Game Play Engineering」、「Outstanding Achievement in Soundtrack」を受賞。
2005 Spike TV Video Game Awardsの「Best Soundtrack」も受賞。
ギターヒーロー2 (2006)
ギターヒーロー アンコール ロック ザ 80年代 (2007)
ギターヒーロー3 レジェンド オブ ロック (2007)
ギターヒーロー エアロスミス (2008)
ギターヒーロー オン ツアー (2008)
ギターヒーロー オン ツアー ディケイズ (2009)
ギターヒーロー オン ツアー モダンヒッツ (2009)
ギターヒーロー ワールドツアー (2008)
ギターヒーロー スマッシュヒッツ (2009)
ギターヒーロー メタリカ (2009)
ギターヒーロー5 (2009)
ギターヒーロー ヴァン・ヘイレン (2010)
ギターヒーロー ウォリアーズロック (2010)
ギターヒーロー ライブ (2015)
Simons, Iain (2007). “HARMONIX”. Inside Game Design. Laurence King. pp. 68-77. ISBN 1-85669-532-8
Guitar Hero Official USA website
Guitar Hero Official UK website
How to Play Guitar Hero - A wikiHow Article
概要
レッドオクタンからPlayStation 2用のゲームとして発売されました。シリーズ第1作であるこのゲームは、2005年11月8日に北米で、2006年4月7日にオーストラリアでリリースされました。開発のきっかけは、ハーモニクスとレッドオクタンが「北米版GUITARFREAKSのようなゲームを作ろう」と考えたことでした。
このゲームの最大の特徴は、ギター型の専用コントローラーを使用することです。プレイヤーは、画面に表示される楽譜に合わせてコントローラーのボタンを押すことで、ロックミュージックを演奏する感覚を味わえます。収録されている楽曲は、1960年代から2005年までの30曲のカバーバージョンで、中にはインディーズバンドのボーナストラックも含まれています。
発売後、このゲームは驚異的な売上を記録し、各ゲーム雑誌で数々の賞を受賞しました。これにより、ギターヒーローというブランドの売上は10億ドルを突破し、続編や拡張パック、関連商品が多数発売されました。続編については、後述の「シリーズ作品」の項で詳しく解説します。
開発
リードデザイナーのロブ・ケイによると、このゲームはコナミの『ギターフリークス』から直接インスピレーションを受けて開発されました。当時、レッドオクタンは家庭用ダンスゲーム『Dance Dance Revolution』のダンスパッドを開発しており、レンタルサービスも運営していました。そのレンタルサービスで人気を集めていたのが『ギターフリークス』でした。
コナミは当時、アメリカで『ギターフリークス』を発売しておらず、アメリカ版の計画もあったものの、ギター型コントローラーに関わる法的問題で実現が難航していました。そこで、レッドオクタンのケイとチャールズ・ファンは、コントローラーとゲームをアメリカで開発することを決意しました。
この斬新なアイデアは、複数のゲーム開発者から却下されましたが、ファンらは175万ドルの資金を集めることに成功しました。アクレイム・エンタテインメントの創設者の一人であるグレッグ・フィッシュバックは、「誰がそんなゲームで遊ぶんだ？」と企画を却下したことを、後に後悔したと語っています。
ファンらは、音楽ゲーム『Frequency』や『Amplitude』、『Karaoke Revolution』を開発したハーモニクスに、ギター型コントローラーを使ったゲームのアイデアを持ち込みました。約100万ドルの資金（ケイによると、この金額はコンピュータゲーム開発としては低予算とのこと）で、両社は『ギターヒーロー』の開発で協力することになりました。ケイは当時、「大成功を収めようとは考えていなかった。ただ、楽しめるものを作ろうと思っていた」と語っています。
ハーモニクスの代表アレックス・リゴポロスは、マイクロソフトに『Frequency』の企画を持ち込んだ際、独自のハードウェアを持たない音楽ゲームは成功しないと言われたことが、『ギターヒーロー』の制作に影響を与えたと語っています。
開発チームは、ギター型コントローラーがゲームの核となる要素だと直感しました。ゲームを際立たせるため、3つのゲームプレイの要素が導入されました。それは、音符に合わせてボタンを押すだけでなく、ワーミーバーを使ったり、コントローラーを傾けたりすることで、よりゲームを楽しめるようにすることでした。さらに、「スターパワー」という要素を導入することで、ゲームに深みが加わり、何度もプレイしたくなるような仕組みが作られました。
当初、ハーモニクスは『ギターフリークス』のサードパーティー製コントローラーを使用していましたが、後にレッドオクタンが『ギターヒーロー』用のコントローラーのプロトタイプを用意しました。当初は、フレット部分に感圧式のボタンを付けることで、本物のギターのように演奏できるような案もありましたが、操作が難しくなりすぎるという理由で見送られました。
ワーミーバーで「スターパワー」を増幅したり、長い音符の音程を変えるというアイデアは、ゲーム完成の約1ヶ月前に考案されました。また、プレイヤーが即興演奏を楽しめるようフリースタイルモデルも開発しましたが、エキサイティングなゲームにするのは難しいと判断され、最終的には見送られました。
ゲーム内の楽譜である「ジェム・トラックス」は、ハーモニクスが制作したもので、1曲あたり1日かけて制作されました。楽譜は、プレイヤーが素晴らしいミュージシャンになりきれるようにデザインされています。また、難易度はソフトウェアのアルゴリズムで調整されており、品質保証チームはゲーム全体の難易度がちょうどよくなるまで、曲目や楽譜を何度も調整しました。
制作開始時、チームはどの曲を収録するか決めていませんでした。30～40曲程度を収録する予定でしたが、リストアップした結果、100曲にも膨れ上がりました。収録する曲はハードロックを中心に選曲されましたが、著作権の問題で使用できる楽曲が限られていました。その一方で、若いプレイヤーにロックの名曲を知ってもらう道徳的な義務があると考え、ラモーンズの「アイ・ワナ・ビー・シディテッド」などを収録することにしました。
ハーモニクスは、曲の人気度と難易度のバランスを何度も見ながら、曲の追加や削除を行い、開発期間中に収録楽曲を調整しました。権利関係のクリアできた楽曲のカバーはWaveGroup Soundが担当しました。多くのカバー曲のリードギターは、ドリストのメンバーであるマーカス・ヘンダーソンが担当しました。WaveGroup Soundはエフェクトの再現も行っており、例えば、ブラック・サバスの「アイアン・マン」の原曲で、オジー・オズボーンが金属製の扇風機の前で歌っていたことを再現するため、Craigslistで同じ型の扇風機を手に入れ、その効果を再現した状態で収録しました。
ボーナス曲の演奏には、ハーモニクスの社員も何らかの形で参加しています。また、バンドからオリジナル曲を募集し、ゲームに採用する「Be a Guitar Hero」という企画も開催されました。その結果、Graveyard BBQの「Cheat on the Church」が選ばれました。さらに、オジー・オズボーンのギタリストだったザック・ワイルドのリクエストにより、彼のバンド、ブラック・レーベル・ソサイアティの「Fire it Up」もボーナス曲として収録され、出荷直前で収録楽曲が決定しました。
開発当初のグラフィックは、『ポン』のようなシンプルなものでしたが、リードアニメーターのライアン・レッサーが、美術スタッフの音楽の好みを反映させた結果、現在のようなグラフィックになりました。また、FrequencyとAmplitudeでの経験から、抽象的な映像ではユーザーがゲームの世界に入り込めないことを悟り、『Karaoke Revolution』でも用いられた、ミュージシャンのライブアニメーションを導入しました。ゲーム内のアニメーションのモーションキャプチャにはHouse of Movesも協力しました。「スターパワー」の演出は電気をモチーフにしており、エレキギターのイメージとともに、ゲーム内のミュージシャンのパフォーマンスと観客の盛り上がりを表現しています。
リリース当初は、ギブソンSGを模したコントローラーとソフトのセットで69.99ドルで販売されていました。その後、ソフトとコントローラーは別売りされ、レッドオクタン製以外のサードパーティー製コントローラーも発売されました。ギター型コントローラーを開発していたマッドキャッツも、Xbox版の開発に携わる予定でしたが、コナミがマッドキャッツを訴訟したため、開発から撤退せざるを得なくなりました。
プレイ方法
このゲームは、他の音楽リズムゲームと同様に、画面に表示される音符に合わせて専用コントローラーのボタンを押すことで楽曲を演奏します。このシステムは、コナミの『ギターフリークス』がベースになっています。専用コントローラー（ギブソン・SGを3/4スケールにしたもの）のほか、サードパーティー製のコントローラーも使用可能です。また、通常のコントローラーでもプレイできます。
専用コントローラーには、指板を表す5色のボタンと、ネック近くのナット、ボディにはワーミーバーとストラムバーがあります。また、メニュー選択用のボタンも付いています。画面には音符が流れ、対応するボタンを押さえ、音符が画面上の特定のエリアに達したらストラムバーを操作して演奏します。音符の流れが速い場合は、ハンマリングオンやプリングオフのテクニックも必要になります。コントローラーは左右どちらの手でも使いやすいように設計されています。
通常のコントローラーを使う場合も、画面に合わせてボタンを押します。正しいボタンを押し、コードやサステインを正しく使うことで、スコアを獲得できます。連続して音符をうまく演奏すると、得点が倍増します。
「ロックメーター」は、プレイヤーのミスに基づいて変動し、メーターが一定以下になるとゲームオーバーになります。光る音符に合わせて完璧に演奏し、サステイン中にワーミーバーを使うと、「スターパワー」を溜めることができます。スターパワーが半分以上溜まると、コントローラーを垂直に持ち上げるか、ボタンを押すことで発動できます。スターパワー発動中は、得点が2倍になったり、ロックメーターが上昇したりします。これにより、難易度の高い曲でも最後まで演奏することが可能になります。
モード・その他の特徴
主なプレイモードは「キャリアモード」です。このモードでは、プレイヤーはゲーム内のバンドマンとして、様々なライブ会場を巡り、各会場で4～5曲を演奏します。キャリアモードで演奏をクリアすると、他のモードでプレイできる曲が増えます。キャラクターとギターは、ゲームプレイには影響しませんが、自由に選択可能です。キャリアモードでは演奏することでゲーム内のお金を稼ぐことができ、このお金を使って、追加曲やギター、フィニッシュなどのボーナスコンテンツを購入できます。
「クイックモード」では、すべての曲を自由にプレイでき、難易度、ギター、キャラクター、会場も選択できます。キャリアモードまたはクイックモードで演奏を終えると、ゲームが演奏を評価し、5段階でスコアが表示されます。
「マルチプレイヤーモード」では、2人のプレイヤーが同じ曲を演奏し、得点を競います。画面には2つのフレットが表示され、より高いスコアを獲得したプレイヤーが勝利します。すべての曲は4段階の難易度に分かれており、プレイヤーは自分のレベルに合わせて練習できます。「イージー」では3つのボタン、「ミディアム」では4つのボタン、「ハード」では5つのボタンすべてを使用します。エキスパートモードでは、フレットが表示されなくなります。
使用楽曲
『ギターヒーロー』には、47曲が収録されており、そのうち30曲は、WaveGroup Soundがカバーした有名な楽曲です。カバー曲には「as made famous by」という文章が表示されます。残りの17曲はインディーズバンドのマスターレコーディングです。
最初からプレイできる楽曲
ソロキャリアモードで最初から使える楽曲は、難易度別にステージに分けられています。各曲には「イージー」、「ミディアム」、「ハード」、「エキスパート」の4つの難易度があり、難易度によって音符の数や流れる速さが異なります。各難易度にはクリア条件があり、低難易度では3～4曲の完奏でクリアとなりますが、最も高い難易度では、そのステージの5曲すべてを完奏する必要があります。一つのステージをクリアすると、そのステージの楽曲が解放され、速弾きモードや対戦モードでも使用できるようになります。カバー曲は、iTunesのようなダウンロードショップ「The Guitar Hero Recordings」でも購入可能です。
ボーナス曲
ボーナス曲は全部で17曲あり、キャリアモードで得た仮想通貨を使って、ゲーム内のショップから購入できます。購入後は、キャリアモード、速弾きモード、対戦モードのどの難易度でもプレイできるようになります。
その他
以下の2曲はプレスリリース時に使用されましたが、GameShark、Code Breaker、プロアクションリプレイといったチートを使用しないとプレイできません。
「Graveyard Shift」- 不明
「Trippolette」- ハーモニクスの制作チームに参加したバークリー音楽大学の作曲家アンドリュー・ブッハによる作品で、『Rock Band Network』でもダウンロード可能
受賞歴
『ギターヒーロー』は、数々の賞を受賞しています。
IGNの「Best of 2005」では、「Best Music Game」、「Best PlayStation 2 Music Game」、「Best Licensed Soundtrack」、「Best Licensed Soundtrack for PlayStation 2」、「Best Offline Multiplayer Game」、「Best PlayStation 2 Offline Multiplayer Game」、「Best Gaming Peripheral」（ミニギブソンSGコントローラー）を受賞。
GameSpotの「Best and Worst of 2005」では、「Best Puzzle/Rhythm Game」、「Most Metal」、「Reader's Choice – Best Puzzle/Rhythm Game」を受賞。
ゲーム・デベロッパーズ・チョイス・アワードでは、「Excellence in Audio」、「Excellence in Game Innovation」を受賞。アカデミー・オブ・インタラクティブ・アーツ＆サイエンス主催の2005年度インタラクティブ・アチーブメント・アワードでは、「Game of the Year」、「Outstanding Achievement in Game Design」、「Outstanding Achievement in Game Play Engineering」、「Outstanding Achievement in Soundtrack」を受賞。
2005 Spike TV Video Game Awardsの「Best Soundtrack」も受賞。
シリーズ作品
ギターヒーロー2 (2006)
ギターヒーロー アンコール ロック ザ 80年代 (2007)
ギターヒーロー3 レジェンド オブ ロック (2007)
ギターヒーロー エアロスミス (2008)
ギターヒーロー オン ツアー (2008)
ギターヒーロー オン ツアー ディケイズ (2009)
ギターヒーロー オン ツアー モダンヒッツ (2009)
ギターヒーロー ワールドツアー (2008)
ギターヒーロー スマッシュヒッツ (2009)
ギターヒーロー メタリカ (2009)
ギターヒーロー5 (2009)
ギターヒーロー ヴァン・ヘイレン (2010)
ギターヒーロー ウォリアーズロック (2010)
ギターヒーロー ライブ (2015)
脚注
注釈
参考文献
Simons, Iain (2007). “HARMONIX”. Inside Game Design. Laurence King. pp. 68-77. ISBN 1-85669-532-8
外部リンク
Guitar Hero Official USA website
Guitar Hero Official UK website
How to Play Guitar Hero - A wikiHow Article
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