クイーン・メリー2

クイーン・メリー2について

概要

クイーン・メリー2（QM2）は、イギリスのキュナード社が運営するオーシャンライナーで、2003年に建造されました。この船は総トン数148,528トン、全長345メートルという記録を誇り、同時期の客船の中では最大のものです。豪華なカジノやスポーツセンターに加え、宇宙をテーマにしたプラネタリウムまで完備しており、「洋上の宮殿」とも称される存在です。客室の数は1,310室、そのうち1,017室が海側に位置しており、乗客に素晴らしい景観を提供しています。

船歴と建造

クイーン・メリー2は、1969年から2004年まで活躍した姉妹船クイーン・エリザベス2の後継として設計されました。また、名前は、同じ大西洋航路を運航していた初代クイーン・メリーから受け継がれています。1998年にカーニバル社によるキュナード社の買収が進む中で、22世紀の豪華客船建造のコンセプトが開始されました。
06年にはフランスのアトランティーク造船所で建造が始まり、約3,000人の熟練工が800万時間以上をかけて作業を行いました。2004年に進水が行われ、その後の公試を経て、同年1月にはイギリス女王エリザベス2世により命名されました。

就航と名誉な航海

クイーン・メリー2は、2004年1月12日に処女航海を開始し、2,620名の乗客を乗せて出港しました。以降、アメリカ独立記念日やアテネオリンピックなどのイベントにも寄港し、特に注目を集めました。また、世界一周クルーズを始めとする豪華な航海も予定されており、多くの著名人がこの船を利用しています。

設計の特徴

この船の設計は、カーニバル社の設計士ステファン・ペインが担当しました。船の形状は、初代クイーン・メリーの影響を受けつつ、現代的な工夫が施されています。内部には、16カ国から集まったアーティストによる5,000以上の作品が飾られ、特にブリタニア・レストランのタペストリーや、グランドロビーの銅板壁画が名高いです。
また、クイーン・メリー2は独自のバルバス・バウを採用しており、造波抵抗を軽減し、燃費効率も向上しています。さらに、電気式ポッド推進システムを導入しており、従来の船舶と比べて大きな操縦性を実現しました。

船内とサービス

船内には、ゲストが選べる数種類のレストラン、カジノ、劇場、プラネタリウムなどの娯楽施設が揃っています。新しいバルコニー付きの客室や、豪華な宿泊施設に加え、客層に応じて利用できるエリアが設けられているなど、区別された上質なサービスが提供されています。また、2016年には大規模な改装が実施され、さらなる快適さが追求されました。

日本への寄港

クイーン・メリー2はこれまでに何度か日本にも寄港しており、特に横浜や長崎港がよく使われています。特に横浜ではその大きさのために専用の埠頭が必要であり、乗客の期待に応えるため、運行計画が練られています。今後も、多くの乗客に新たな体験を提供し続けることでしょう。

クイーン・メリー2は、歴史的な航海を引き継ぎつつ、現代的な技術と贅沢を兼ね備えた船として、多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索