コデン

コデンの生涯と影響力

コデン（Köden、生没年不詳）は、モンゴル帝国の王族で、漢字表記では闊端太子と称されています。彼の名前はクタン、ゴデン、ゴダンとも表記され、モンゴル帝国の歴史の中で重要な役割を果たしました。コデンは、第2代カアンであるオゴデイの次男であり、チンギス・カンの孫でもあります。彼は兄のグユクと並ぶ王族の一員として、帝国内で大きな影響力を持っていました。

統治と勢力圏の形成

オゴデイがカアンに即位した後、コデンは有力な後継者候補としてしばしば「闊端太子」と呼ばれました。オゴデイの弟トルイが初期の帝国の大部分を支配していたものの、トルイが早世すると、オゴデイはコデンに領土を分与しました。この結果、コデンは西夏の故地において独自の勢力圏を築くこととなりました。彼はその地域を支配する政治的体制であるウルスを形成し、コデン・アカと呼ばれる盟主となりました。また、コデンの領土は甘粛のみならず、陝西やチベットへも広がりました。

モンゴル軍の進攻と宗教的関係

1239年、コデンは自身の指揮するモンゴル軍を率いてカム地方からチベットへ進軍し、その軍は中央チベットでの仏教寺院の焼失など、激しい戦闘を引き起こしました。この出来事は、後にモンゴル帝国がチベット教団と深いつながりを持つきっかけとなりました。特に、サキャ派の教主であったサキャ・パンディタが1247年にコデンと会見した際には、双方の関係が強化され、これは後のモンゴルとチベット仏教の重要な交流として広く知られています。

コデン家の後継と政治的影響

コデンの死後、彼の子孫はトルイ家と密接な関係を築きました。特に、コデン家は政権が変わる中でモンケを支持し、他の王族に比べて安定した地位を持ち続けました。モンケの即位以降、コデン家は甘粛地方において影響力を保持することができましたが、その後はクビライの影響を受けることになりました。モンケの死後、カアン位の継承争いが勃発し、コデン家のメンバーはクビライへの忠誠を貫く形となりました。しかし、コデン家はその勢力を次第に失い、最終的にはその影響力は衰退していきました。

皇族としての特権

それでも、コデン家は皇帝ファミリーとして最高の待遇を受け続け、特に当主であるイェス・エブゲンは泰定元年（1324年）に荊王の称号を与えられました。しかし、コデン家嫡流当主が無くなると、その支配権はカアン直属の機関に移行し、コデン家の政治的影響は次第に薄れていきました。以降、コデン家の動向についての記録は乏しく、詳細は不明ですが、彼らの歴史はモンゴル帝国内で重要な役割を果たし続けました。

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