コーブ

コーブ（Kobus kob）

コーブは、ウシ科ウォーターバック属に分類される偶蹄類の一種で、アフリカ大陸に広く分布しています。

分布

コーブは、以下の国々に分布しています。

ウガンダ、エチオピア、ガーナ、カメルーン、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、コンゴ民主共和国、スーダン南部、チャド、中央アフリカ共和国、トーゴ、ナイジェリア、ニジェール、ブルキナファソ、ベナン、マリ共和国

これらの地域では、平地や丘陵の草原、森林周辺の水辺で見られます。

形態

コーブの体長は140-180cm、尾長は20-40cmです。肩高はオスで90-100cm、メスで82-92cm程度。体重は65-120kgに達します。

全身は短い体毛で覆われており、首の体毛は鬣（たてがみ）状には伸びません。背中の中央部の体毛は、前方に向かって生えています。毛色は赤褐色や橙色ですが、老齢のオスや亜種によっては黒褐色になる個体もいます。

耳の付け根や内側、唇、喉、胸部から腹部、四肢の内側は白い毛で覆われています。前肢の前面や後肢の下部（足の甲）は黒色です。

後肢の付け根の内側には臭腺があり、独特の臭いを発します。

オスのみが、S字状に湾曲した角を持ちます。角の長さは40-70cmで、表面には10-15個の節があります。乳頭の数は4個です。

分類

コーブには、いくつかの亜種が知られています。

Kobus kob kob (セネガルコーブ)
Kobus kob leucotis (シロミミコーブ)：オスは全身の毛衣が黒いのが特徴です。
Kobus kob thomasi (ウガンダコーブ)
Kobus kob ubangiensis (ウバンギコーブ)

生態

コーブは、平地や丘陵の草原、森林周辺の水辺に生息します。通常、1-数頭のオスとメス、幼獣からなる2-40頭程度の群れを形成して生活します。若いオスだけで群れを作ることもあります。

食性は植物食で、主に水生植物を食べます。

繁殖形態は胎生で、繁殖期になるとオスは一定の場所に直径10-45mの縄張りを形成し、メスと交尾します。妊娠期間は261-271日で、1回に1頭の幼獣を年に2回産みます。

保全状況

亜種によって保全状況が異なります。

K. k. kob（セネガルコーブ）：VULNERABLE（絶滅危惧II類）(IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
K. k. leucotis（シロミミコーブ）、K. k. thomasi（ウガンダコーブ）：LEAST CONCERN（軽度懸念）(IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))

参考文献

IUCN Red List

関連項目

ウォーターバック属

外部リンク

* ウィキペディア

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