サイクロペディア

サイクロペディアの概要

『サイクロペディア、または諸芸諸学の百科事典』は、1728年にイーフレイム・チェンバーズによって初版が出版された英語の百科事典です。以降、1751年までに6版が発行され、1753年には追補版も登場しました。この百科事典は、英語で書かれた初期のものの一つであり、広範囲にわたる知識を包括的にまとめている点で、その重要性が高く評価されています。

初版と改訂版

初版には、アルファベット順に記事が配置されている中で、相互参照が多数盛り込まれており、読者が情報を効果的に探し出す手助けをしています。また、国王ジョージ2世への献辞と、知識の構造を示す哲学的な序文も収められています。この序文では、47の知識部門を分析し、それぞれに属する記事を分類した目次も提供されています。

1738年に出版された第2版は、2巻から成り、総ページ数は2,466ページに達します。この版では数々の修正が行われ、新記事が追加され、既存の内容も拡張されていますが、改訂版の印刷に関する政治的な問題が影響しさらなる改訂は難航しました。その後、1739年から1752年にかけ、ロンドンでさらに5つの版が出され、1742年にはダブリンでの出版も実現しました。また、1748年から1749年にはイタリア語版が登場し、イタリア初の完全な百科事典となりました。

チェンバーズの死後

チェンバーズは1740年に他界しましたが、その際には既に第7版の準備が進められていました。彼の死後、ジョージ・ルイス・スコットが記事の選定を行い、その後はジョン・ヒルがその役を引き継ぎました。1753年、ロンドンで出版された補遺版は、2巻に分かれ、3307ページや12枚の図版が追加されています。

改訂版と影響

1778年から1788年にはエイブラハム・リースによる改訂版が登場し、全5巻で5,010ページ、159枚の図版が収録されていました。リースはおよそ4,400記事を新たに追加し、その巻末には100の見出しによる索引が設けられ、約57,000件の項目が整理されていました。

前身と後継

チェンバーズの『サイクロペディア』は、彼以前の知識体系に大きな影響を与えました。特に、1704年に出版されたジョン・ハリスの『レクシコン・テクニクム』はその前身として位置付けられ、後の『百科全書』は、チェンバーズの作品から多大な影響を受けています。

19世紀には、ロバート・チェンバースを中心にした『チェンバーズ百科事典』が発行されましたが、これはイーフレイム・チェンバーズの作品とは直接の関係はありません。

まとめ

『サイクロペディア』は、資料を整理し、知識の幅広い領域をカバーする初期の重要な百科事典であり、後の学問の発展にも多大な影響を与えた作品です。現在でもその価値は高く、学問的な資料として利用されています。

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