サクラクレパス

株式会社サクラクレパス

株式会社サクラクレパスは、大阪市中央区森ノ宮中央に本社を構える文具メーカーです。同社が製造する『クレパス』は、その独自性から登録商標として知られ、長年にわたり多くのアーティストに愛用されています。

概要

サクラクレパスの歴史は1921年にさかのぼります。創業者の佐武林蔵氏が義兄の佐々木昌興氏などと共に「日本クレイヨン商会」を設立したのが始まりです。その後、名称を「桜クレイヨン商会」と改め、1925年には世界初のオイルパステル『クレパス（CRAY-PAS）』が誕生しました。1934年には「クレパス本舗桜商会」と名を変え、70年代に現在の株式会社サクラクレパスに改称しました。

同社の代表的な商品には、1950年に発売された半透明水彩絵具『マット水彩』や、1973年に登場した全色芯の色鉛筆『クーピーペンシル』、1982年に登場した水性顔料インクの『ピグマ』、1984年に発売された水性ゲルインクボールペン『ボールサイン』などがあります。これらの商品は、技術革新により新たに開発されたものであり、今なお多くの愛用者を惹きつけています。

サクラクレパスの製品は主に学童向けの画材が中心ですが、創業当初は油絵具の製造も行っていました。1970年には専門家向けの「ヌーベル」ブランドが設立され、1991年にはオランダの著名絵具メーカーであるロイヤルターレンスを買収し、その関連会社が現在も高品質な専門家用画材を提供しています。その他にも、消しゴムを製造するラビット社や、鉛筆製造のブランジール社などがグループ企業として知られています。

経営者

サクラクレパスを創業した佐武林蔵氏は元成城学園の教師であり、自由画教育運動に触発されて独立を果たしました。彼は退社後に美術教育の普及に努めるなど、画材製造だけでなく、教育分野にも貢献しました。その後、1937年から西村齊次郎氏が社長を務め、以降西村家による経営が続いています。齊次郎氏は、京都の商人の家系に生まれ、様々なビジネスに関与してきました。

クレパスの商標登録

『クレパス』は日本国内で商標登録されており、その名称はフランス語の「クレヨン・パステル」に由来するとの説がありますが、サクラクレパスが独自に開発した色彩表現を反映した名称です。公式な情報では「クレパスと呼べるのはサクラだけ」とされており、他社製品とは一線を画しています。

同社の商品には、クレパスと並んで「サクラクレヨン」が存在します。サクラクレヨンは主に蝋分が多く硬い特性を持つ一方、クレパスは油脂分が豊富で柔らかいのが特徴です。

主な商品

サクラクレパスが展開する主な製品には以下のものがあります：

- サクラクレパス
- サクラクレヨン
- クーピーペンシル
- ボールサイン
- ノータム
- マーカー
- ホワイトボード
- ピグマ/ピグマックス
- マイネーム
- マット水彩
- 電子黒板

このように、サクラクレパスは文具業界において多岐にわたる製品を提供しており、そのすべてにおいて質と独自性を追求しています。

もう一度検索