サザエ食品

サザエ食品株式会社

サザエ食品株式会社は、北海道札幌市中央区宮の森に本社を置く食品製造会社です。特に北海道十勝産の小豆や道内産のもち米（はくちょうもち）を用いたおはぎやおやきなどの和菓子類が主力製品で、キャッチコピーは「十勝おはぎのサザエ」と親しまれています。

企業の歴史

サザエ食品の始まりは1949年に遡ります。当初、創業者である野村とみが函館朝市でわずか5坪の「サザエ食堂」を始めたことからスタートしました。この食堂で人気となったおはぎに特化し、1950年代には専門店としての展開を図ることになります。1970年に法人化し、本社・工場を札幌市に移した後、徐々に成長を遂げ、1993年には年間売上高が100億円を突破しました。

しかし、2014年には関東地域での業績が悪化し、会社整理が決定されました。この結果、石屋製菓が関与し、新たに設立された「新サザエ食品」が従業員や道内の事業を引き継ぎ、翌年には現在の社名に変更しました。経営には、過去に危機を乗り越えた実績を持つ島田俊平が就任し、再建に努めました。現在、道内には66店舗を展開し、主に大型スーパーマーケットなどで販売されています。

商品ラインナップ

サザエ食品では、和菓子を中心としたさまざまな製品を提供しています。特に、十勝産の小豆を使用したおはぎが有名で、種類もこしあんやつぶあんなど多様です。また、おにぎりや巻き寿司、弁当など、独自のメニューも取り揃えています。実演販売方式を取り入れ、たいやきやおやきなどの焼き菓子も多く取り扱っています。家族で楽しめる商品が豊富に用意されており、地域限定商品も人気です。

社名の由来

社名「サザエ」は、創業者が漫画『サザエさん』の明るい家庭を模範としたことに由来しています。実際、テレビアニメ『サザエさん』の火曜日放送ではローカルスポンサーとしての役割も果たしていました。

テレビCMとマーケティング

1990年代には、サザエの企業ロゴが描かれた熱気球が北海道の空を飛ぶCMが放送され、地域密着型の広告展開が行われました。また、創業者を題材にしたCMソング「とみちゃんのうた」が流れるラジオCMも人気を集めており、地域のリスナーに親しまれています。CMには地域の有名人も登場し、温かみのあるメッセージが伝えられています。

社会的影響

サザエ食品の和菓子は石原軍団の御用達として知られ、炊き出しや手土産としての利用が多く見受けられます。また、テレビドラマとのタイアップ商品も展開するなど、地域の文化に深く根ざした企業として愛されています。最近では、映画「刑務所の中」で昔のCMが使用されるなど、メディアにも取り上げられています。

サザエ食品の取り組みは、地元の食材と文化の良さを最大限に活かすもので、一度その味を楽しんでみる価値があります。

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