サタスペ

サタスペ

『サタスペ』は、河嶋陶一朗氏らによって制作された、アジアンパンクTRPGです。同人誌としてスタートし、後に商業出版もされました。無法都市「大阪」を舞台に、クライムアクションが楽しめる、一風変わったシステムが特徴です。

概要

本作の舞台は、第二次世界大戦でナチスが勝利し、日本が列強に分割統治された、もう一つの現代です。犯罪組織「五大盟約」が支配する無法都市「大阪」を舞台に、プレイヤーは「亜侠（あきょう）」と呼ばれるキャラクターを操作し、街を駆け巡ります。

世界観

映画『スワロウテイル』のようなアジアンテイストの世界観が特徴です。殺しやドラッグが横行し、強盗や詐欺が日常茶飯事という、退廃的な雰囲気が漂っています。

ゲームシステム

一般的なTRPGとは異なり、ファンブルやハプニングが頻発しやすい、シビアなゲームバランスが特徴です。キャラクターは簡単に死んでしまうため、ハプニングを楽しむことが重要になります。

また、各キャラクターの行動を全員で評価し、その評価に応じてキャラクターを成長させるという、独特の成長ルールがあります。

サタスペという名前の由来

「サタスペ」という名前は、安価な銃の蔑称「サタデーナイトスペシャル」から取られています。PCは、渋いギャングではなく、「サタスペ」を使うようなチンピラであるという、一種の諧謔が込められています。また、「亜侠」という言葉にも、「アジアの侠」と「安物のサタスペを使う侠モドキ」という二つの意味が込められています。

オマージュ

登場する組織やアイテム、敵データには、様々な映画や漫画、アニメ作品のオマージュが散りばめられています。

世界設定

第二次世界大戦でナチスドイツが勝利した世界。日米間に緊張が走り、核戦争が勃発。日本は焦土と化し、列強による分割統治が行われました。

北海道・東北地方はソ連領、関東以南はアメリカ領となり、神戸にはドイツの要塞都市が築かれ、中国は和歌山を領土としました。近畿地方は国連の統治下となり、「近畿特別区」として、多国籍都市「大阪（オオサカ）」が発展しました。

舞台

舞台となるオオサカは、日本語、北京語、英語が混ざった「オオサカベン」が公用語として使われています。街は六つのエリアに分かれており、そのうち五つは五大盟約の影響下にあります。

各エリアの紹介

ミナミ: 東洋一の歓楽街。
中華街: 中国人が多く住むエリア。
軍艦島: コンビナートの支配下にある工業地帯。
官庁街: 企業の高層ビルが立ち並ぶエリア。
十三（じゅうそう）: 町工場が多い下町。
沙京（シャオキン）: 海上の貧民街。

盟約

大阪で活動する犯罪組織には、大阪全体を牛耳る「五大盟約」と、その傘下にある「下部盟約」、五大盟約に属さない「独立盟約」があります。

五大盟約

地獄組
大幇
沙京流氓
コンビナート
大阪市警

システム

キャラクターメイキング

経験点を割り振って「環境値」や「天分値」を上昇させ、キャラクターのステータスや個性を決定します。チーム内の役割を表す「宿業（ベーシックカルマ）」も選択します。

各種判定

行為判定：ステータスの数値の数だけ2D6を振り、難易度以上の目が出たら成功。
性業値判定：キャラクターの感情の動きを決定。
モラル判定：戦闘中に肉体点が半分以下になると行う。
ケチャップ：追いかけっこの判定。

カルマ

プレイヤーに備わっていく各種能力。各カルマごとにメリットである「異能」とデメリットである「代償」が存在します。

宿業（ベーシックカルマ）
罪業（アドバンスドカルマ）
威業（ブースターカルマ）
衆業（チームカルマ）
屍人（デッドマン）

書誌情報

基本ルールブック
サプリメント
リプレイ
ボードゲーム

関連項目

冒険企画局
迷宮キングダム
* ピカレスク小説

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