ザマール

ザマールの概要

ザマール（アラビア語: ذمار）は、イエメン南西部のザマール県の中心都市です。地理的には、北緯14度33分0秒、東経44度24分6秒の位置にあり、標高はおよそ2400メートルです。2014年のデータによると、人口は約16万人で、日本では英語の「ダマール」としても知られています。

地理的位置と歴史的背景

ザマールは、イエメンの首都であるサナアから南へ約100キロメートルの距離に位置しており、イッブの北、アル・ベイダの西側に位置します。この地区は、歴史的にはサバア王国のザマール・アリ・ヤフベル王にちなんで名付けられたとされています。ザマール近郊のアル・ナフラ・アル・ハムラーでは、ザマール王の像が発見されており、これが地域の歴史的重要性を物語っています。

この地域は、かつてアラビア・イスラム文化と科学の主要な中心地の一つであり、特にアビ・バクル・アル・サデーク王の時代には大規模なモスクが建設され、学問や文化の発展が見られました。伝説によると、古代ヒムヤル王国のザマール・アリ王がザマールを建設したとも言われており、彼はマーリブ・ダムの修復で知られる存在でもあります。

ザマールの特異性

興味深い点として、ザマールはイエメン北部で唯一、城壁や自然の障壁に囲まれていない都市として知られています。このことは、ザマールの歴史や文化が独自の発展を遂げてきた背景を示唆しています。また、近隣の部族は水曜日に開かれる市場に集まり、交易や交流の場としています。この市場は地域の文化と経済にとって重要な役割を果たしています。

さらに、ザマールには国内最大の大学が存在し、若者たちが教育を受ける場としても機能しています。この大学は、地域内外からの学生が集まり、高等教育の中心としての役割を担っています。

姉妹都市と著名人

ザマールは、ジブチのディキルと姉妹都市関係を築いています。また、この街からは著名な人物も輩出されています。代表的な例として、イスラエル人歌手のショシャナ・ダマリ（1923年 - 2006年）や、ロンドンオリンピックに出場したイエメンの長距離走者ナビル・アル・ガルビ（1993年生まれ）などがいます。

文化的業績と関連する話題

ザマールの文化的背景には、クリスチャン・ローゼンクロイツの伝説上の存在も関連しています。彼はバラ十字団の創立者とされ、ダムカル（ザマール）を訪れて賢者を求めたという物語が伝えられています。このように、ザマールは歴史的にも、文学的にも多くの意味を持つ地域です。

このように、ザマールはその文化と歴史、そして地理的な特徴が融合した独自の魅力を持つ都市であり続けています。

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