サーボブレーキ

サーボブレーキとは

サーボブレーキは、自転車の後輪に用いられるブレーキの一つです。このブレーキは、一般的には自転車業界で使用される広義の意味で、旧来のバンドブレーキの欠点を改善しつつ、互換性を保持した製品群を指します。しかし、狭義の意味では株式会社唐沢製作所が製造・販売している特定のブレーキを指します。

構造

サーボブレーキの構造は、通常のバンドブレーキとは異なります。従来のバンドブレーキはブレーキドラムの外側をバンドで押さえる仕組みですが、サーボブレーキは、ブレーキドラムの内側から剛性の高いブレーキシューが広がって押さえる「内拡式ドラムブレーキ」です。このため、ブレーキをかけた時に「キーッ」という音が鳴りにくく、また摩擦面がドラムの内側に位置することから、雨水が侵入しにくいという特長があります。このシステムは自動車にも使われており、その信頼性は高く評価されています。

自転車用のサーボブレーキは、機械式のユニサーボ方式に分類されます。このユニサーボという名前は、その特長がサーボブレーキ群の名称の由来にもなっています。さらに、サーボブレーキにはセルフサーボの特性があり、これも従来のバンドブレーキと似た点です。

搭載車

サーボブレーキは1970年代の末に開発され、特に国産の高品質な軽快車に広く搭載されました。しかし、最近では自転車の低価格化の進行や、大手部品メーカーのシマノが開発したローラーブレーキの普及に伴い、サーボブレーキが搭載される新車は減少傾向にあります。特に、安価な自転車にはバンドブレーキが使用され、多くの軽快車でもローラーブレーキが主流となっています。とはいえ、後付けの補修部品としても購入可能ですし、バンドブレーキと同じ形状のため取り付けやケーブルの取り回しが共通しており、互換性も優れています。したがって、バンドブレーキに不満がある場合は、サーボブレーキへの変更が検討できます。

種類

唐沢製作所製サーボブレーキ

唐沢製作所のサーボブレーキは、外観がバンドブレーキに似ていますが、外側面には目玉のような色付きゴム製キャップがあるため一目で識別できます。このブレーキは、効き過ぎによる車輪の滑走を防ぐため、ブレーキシューの摩擦面积を小さく設計されており、マイルドな効き味を実現しています。同社は、小型モデルも提供しており、主に子供用自転車もターゲットとしていますが、そのシェアは限定的です。

パナソニック サイクルテック製パナサーボブレーキ

外側カバーの後部上方に突起のある形状が特徴です。しかし、内部構造は唐沢製のものとほぼ同様で、効き味もほぼ一致しています。

ブリヂストンサイクル製ダイネックスブレーキ

こちらは独自の内部構造を有し、摩擦面の面積が大きく作られているため、比較的強い制動力があります。

前輪用サーボブレーキ

唐沢製作所では、前輪用のサーボブレーキも製造されていますが、国内では採用されている車種が非常に少ないのが現実です。

まとめ

サーボブレーキは、旧来のバンドブレーキの欠点を克服した自転車のブレーキシステムの一つで、利用者のニーズに応じた多種多様な製品が提供されています。自転車業界において、その重要性は高まっているものの、市場の変化により搭載される車種は減少傾向にあります。

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