ジェリーの親友

トムとジェリー：ジェリーの親友

チャック・ジョーンズ監督による1964年製作のトムとジェリー短編アニメーション、『ジェリーの親友』（原題：Much Ado About Mousing、劇場公開時『ブルの用心棒』）は、港町を舞台に繰り広げられる、予測不能なドタバタ劇です。

物語は、トムがチーズを餌にした釣りでジェリーを捕まえようとするところから始まります。見事ジェリーを釣り上げるも、いつものようにジェリーは簡単には捕まらず、大騒動に発展します。

逃げ惑うジェリーは、偶然通りかかったブルドッグの寝床に身を隠します。ジェリーを捕まえようとブルドッグの口の中まで手を入れたトムは、ブルドッグの怒りを買い、激しい制裁を受けることに。ボールのように転がされ、ゴミバケツを次々と倒しながら海に突き落とされ、最後はカニに尻尾を挟まれるという目に遭います。

海から這い上がったトムは、今度は野犬狩りに遭遇します。腹いせに、先ほどのブルドッグを捕まえてもらおうとしますが、ジェリーが野犬狩りの網を切り落とし、ブルドッグは救出されます。命の恩人であるジェリーに感謝したブルドッグは、ジェリーに呼子笛を贈り、危険が迫った時はいつでも助けに来る約束をします。

以降、トムがジェリーを追い詰めるたびに、ジェリーは呼子笛を鳴らし、ブルドッグが駆けつけてトムを痛めつけるという展開が続きます。

しかし、トムはブルドッグにヘッドホンをつけ、音を鳴らしても起きないように企みます。そして、ジェリーを追い詰めますが、ジェリーはブルドッグのヘッドホンを外して見せかけ、トムを混乱させ、自ら海に飛び込ませます。

実はジェリーは別のヘッドホンを持っていて、ブルドッグはヘッドホンをつけたまま眠りについており、ジェリーもブルドッグのそばで安心して眠りについたのでした。

この作品では、トムとジェリーに加え、新たにブルドッグが登場します。ブルドッグはジェリーを助けたことでジェリーと強い友情で結ばれ、ジェリーの頼もしい味方となります。トムはいつものようにずる賢くジェリーを追い詰めますが、ブルドッグの登場により、トムの計画はことごとく失敗に終わります。

登場キャラクターたちの個性的な行動と、予想外の展開が次々と繰り広げられる、チャック・ジョーンズ監督ならではのユーモラスな作品です。日本でのテレビ放映では、野犬狩りのシーンがカットされている点にも注目です。

主な登場人物

トム: ジェリーを捕まえようと様々な策略を巡らすも、ことごとく失敗する猫。ブルドッグに何度も懲らしめられ、最後は自ら海に飛び込む羽目になる。
ジェリー: トムの策略を巧みにかわし、ブルドッグとの友情を深めるネズミ。機転と勇敢さでトムを翻弄する。
ブルドッグ: ジェリーを助けたことからジェリーと友情を育む。ジェリーが笛を吹くとすぐに駆けつけ、トムをボコボコにする。
野犬狩りをする人: ブルドッグを捕まえようとするが、ジェリーによって妨害される。
* カニ: 海に落ちたトムの尻尾を挟む。

この作品は、トムとジェリーの定番の追いかけっこに加え、ブルドッグという新たな要素が加わることで、より一層面白く、そして予測不可能な展開を見せてくれます。チャック・ジョーンズ監督作品ならではの、テンポの良い演出と、キャラクターたちの魅力的な描写は必見です。

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