シナジー

シナジー (Sinergy)

フィンランド出身のヘヴィメタルバンド、シナジーは、1999年にその活動を開始しました。このバンドは、アメリカ出身で、かつてエインシェントなどでボーカリストとして活躍したキンバリー・ゴスと、フィンランドの著名なメロディックデスメタルバンド、チルドレン・オブ・ボドムのギタリストであったアレキシ・ライホが中心となって結成されました。キンバリー・ゴスは以前からアレキシとのバンド結成を熱望しており、それが実現した形となります。

バンドはフィンランドを拠点に活動を展開し、そのメンバーには、当時既に他の著名なバンドで活躍していた実力派のミュージシャンが多く参加していました。このスタープレイヤーたちの集結は、シーンにおいて大きな注目を集めることとなります。

シナジーは比較的短い活動期間ながらも、3枚のスタジオアルバムを精力的にリリースしました。

ビウェア・ザ・ヘヴンズ (Beware the Heavens) (1999年): デビューアルバムであり、バンドのスタイルを提示した作品です。キンバリー・ゴスの力強いボーカルと、アレキシ・ライホによる技巧的かつメロディックなギタープレイが融合しています。
トゥ・ヘル・アンド・バック (To Hell and Back) (2000年): セカンドアルバム。バンドのサウンドがより洗練され、アグレッシブなリフとキャッチーなメロディのバランスが取れた作品として評価されました。
スーサイド・バイ・マイ・サイド (Suicide By My Side) (2002年): 3枚目のアルバムで、これが最後のオリジナル作品となりました。バンドの成熟したサウンドが聴ける一方、これが活動の終焉へと向かう時期の作品でもありました。

これらのアルバムは日本国内でも発売され、当初はトイズファクトリーからリリースされました。しかし、後に廃盤となり、長らく市場から姿を消していました。ファンの間では再リリースが待望されていましたが、2011年6月にトゥルーパー・エンタテインメントより、過去の全3作品が日本盤として再びリリースされ、新たなリスナーにも聴かれる機会が生まれました。

バンドのメンバー構成は流動的で、特にリズム隊のメンバーは複数の変遷がありました。最終的なラインナップは以下の通りです。

キンバリー・ゴス (Kimberly Goss) - ボーカル
アレキシ・ライホ (Alexi Laiho) - リード&リズムギター
ローペ・ラトヴァラ (Roope Latvala) - リード&リズムギター
ラウリ・ポラー (Lauri Porra) - ベース (ただし、スタジオアルバムには不参加)
マッツ・カールソン (Mats Karlsson) - ドラム (ただし、スタジオアルバムには不参加)

過去には、スウェーデンの著名なメタルバンド、イン・フレイムスの創設メンバーであるイェスパー・ストロムブラード（リズムギター）や、アーチ・エネミーのシャーリー・ダンジェロ、ナイトウィッシュのマルコ・ヒエタラといった名だたるベーシストが在籍した時期もありました。また、メラニー・シスネロスやエルナ・シーカヴィルタ、ヤンネ・パルヴィアイネンといったメンバーはアルバムには参加していません。ドラマーのトミー・リルマンは、バンドの活動が事実上停止した後の2012年2月14日に、38歳の若さで惜しくもこの世を去っています。

シナジーの活動が短命に終わった主な理由として、中心メンバー、特にアレキシ・ライホが所属するチルドレン・オブ・ボドムが世界的な成功を収め、非常に多忙になったことが挙げられます。キンバリー・ゴス自身が後に明かしたところによれば、主要メンバーが各自の本バンド活動に専念する必要が生じたため、シナジーとしての時間を確保することが極めて困難となり、活動再開の見通しが全く立たなくなったとのことです。

一時は2006年に4枚目のアルバムをリリースする構想もあったようですが、結局この計画は実現しませんでした。バンドは解散を正式にアナウンスすることなく、徐々にその活動を停止し、自然消滅という形で短いながらもインパクトのある歴史に幕を下ろしました。

シナジーは、強力なメンバーによって支えられたそのサウンドで、ヘヴィメタルシーンに確かな足跡を残しました。彼らが残した3枚のアルバムは、今もなお多くのファンに聴き継がれています。

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