シュレッダー

シュレッダーとは？

シュレッダーは、物体を裁断・破砕するための機械のことを指し、広義には切断式やせん断式の破砕機を含みます。一般的には「シュレッダー」と言えば、事務分野で用いられるペーパーシュレッダーを指しますが、産業分野では廃棄物や砕石などを処理する大型破砕機を指すことが多いです。シュレッダーは、目的に応じてさまざまな種類に分類されます。

ペーパーシュレッダーの歴史

ペーパーシュレッダーは、不要になった書類の整理や処分のために用いられる装置です。これを使うことで、プライバシーの保護や情報漏洩を防ぐことが可能になります。ペーパーシュレッダーで細断された紙は、約1300個の小さな片に分かれます。

シュレッダーという言葉は、もともとキャベツを千切りにする器具を指していましたが、次第に書類を細断する機械を意味するようになりました。シュレッダーの特許は、1909年にアメリカの発明家Abbot Augustusによって取得され、1935年にはドイツでパスタメーカーを基にしたモデルが製造されました。日本では1959年に初めて国産シュレッダーが開発され、1960年に明光商会がMSシュレッダーを販売開始しました。

現代の利用状況

情報漏洩の危機が高まる中で、特に2005年に施行された個人情報保護法の影響を受け、多くの企業や個人がシュレッダーを導入しています。現在では、紙だけでなくCD-R/DVD-Rやクレジットカードなど、さまざまな記録媒体の処理を行うシュレッダーも市場に出回っています。これは、これらのメディアが破棄できないため、適切に処理するためのニーズが高まった結果です。

シュレッダーの裁断方式

シュレッダーには主に以下のような裁断方式があります。

ストレートカット

ストレートカットは、縦に切断する方式で、価格が安価な製品や手動式の製品に多く見られます。この方式は秘密保持能力が少なく、裁断した紙くずがかさばるため、ゴミが増えてしまいます。

クロスカット

クロスカットは、ストレートカットに横方向にも切る機能を追加したもので、現在の主流の方法です。この裁断方式では、紙がダイヤモンド型に形作られ、一層難読化されています。サイズによって裁断寸法は異なる場合があるため、卓上型でも細かい裁断ができる製品も存在します。

スパイラルカット

スパイラルカットは、非常に高い秘密保持能力を持つ裁断方式ですが、薄い紙など一部の用紙では上手く切断できない場合があるため、注意が必要です。

産業用シュレッダーの活用

産業分野におけるシュレッダー（破砕機）は、固形の廃棄物を破砕し、廃棄物の容積を削減したり、リサイクル対象の分別をしやすくするために使われます。例えば、家庭用電気機器や自動車などの廃棄物から再利用可能な部品を外した残りを破砕機で処理し、その中からリサイクル可能な素材を取り出します。

シュレッダーダストの再利用

シュレッダーダストとは、シュレッダーで裁断された後のくずのことです。この紙の細片は、再生紙としての利用には向いていないとされていましたが、近年では緩衝材やトイレットペーパーの製造に再利用されるようになっています。産業廃棄物のシュレッダーダストも適切に処理する必要があり、この問題はますます重要視されています。

シュレッダーによる事故の懸念

シュレッダーは利用する際に危険を伴う場合があります。例えば、2006年には子供がシュレッダーで指を切断する事故が報告されました。このため、経済産業省はメーカーに対して、子供が使用する際の安全性についての調査や改良を促していました。シュレッダーの適切な使用法や安全ガイドラインが必要です。

以上のように、シュレッダーは個人情報の保護や廃棄物のリサイクルに大いに役立つ機械ですが、正しい使い方や管理が求められます。

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