ジョニ男

ジョニ男

ジョニ男（ジョニお）は、京都府南丹市に本社を構えるユニークな食品メーカー、男前豆腐店が製造・販売する豆腐製品の一つです。

特徴的なパッケージと外観

ジョニ男の最も印象的な特徴の一つは、その独特な容器形状にあります。これは、同社の人気製品である「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」の容器を、まるでサーフボードを斜め中央あたりで切断したかのような形にアレンジしたものです。男前豆腐店代表取締役社長の伊藤信吾氏によれば、この形状は海外のオイスターバーで体験した牡蠣のイメージから着想を得たといいます。

パッケージの蓋には、力強い右腕のイラストが描かれており、その手で「ジョニ男」と書かれた豆腐本体をしっかりと掴んでいる様子が表現されています。さらに、右手首付近には「Are you jonile tonight?」というメッセージが添えられています。この英文は文法的にはやや不自然ですが、「今夜もジョニるかい？」という、ジョニ男を食べることを「ジョニる」と呼んでほしいという製造元の願いが込められたユニークな表現です。

また、一般的な豆腐製品とは異なり、ジョニ男は一つ一つが個別に袋詰めされています。この個別包装された袋の裏面には、男前豆腐店が過去に発売したCDの情報や、後述するお勧めのレシピなどが掲載されており、単なる食品パッケージに留まらないエンターテイメント性を持っています。

内容量は一丁あたり80グラムと、男前豆腐店が手掛ける他の豆腐製品と比べるとやや少なめの分量です。価格は店頭によって異なりますが、およそ100円前後で販売されています。

味わいと型破りな食べ方

ジョニ男の豆腐そのものは、非常に濃厚な大豆の風味を感じられるのが特徴です。その味わいは深く、醤油や薬味などを特に加えることなく、そのまま食べても十分にご飯のおかずになるほどのしっかりした旨味があります。

さらにユニークなのは、製品パッケージや公式で提案されている食べ方です。従来の「冷奴」や「湯豆腐」といった豆腐のイメージからはかけ離れた、以下のような「ABNORMALな」食べ方が紹介されています。

バニラアイスを添える
黒蜜やメープルシロップをかける
きなこをまぶす
ジャムを添える

これらの提案は、ほぼデザートやスイーツとしての食べ方であり、初めて知った人が驚くような内容です。しかし、実際にこれらの方法を試した購入者からは、「予想外においしい」「意外な組み合わせが癖になる」といった好評の声が多く聞かれます。特に、濃厚な大豆の風味が、甘いトッピングと意外なほど調和するという意見が多く寄せられています。

誕生の背景にある哲学

このようなユニークな豆腐が生まれた背景には、男前豆腐店の伊藤社長の明確な意図があります。伊藤氏は、「デザートに負けないくらいおいしい豆腐を作りたい」という思いを強く持っており、さらに「（消費者に）罪悪感なく楽しめるデザートとして豆腐を食べてもらいたい」と考えていました。ヘルシーでありながら満足感のある、新しいデザートとしての豆腐というコンセプトが、ジョニ男の根底にあります。

前述の「ジョニる」という言葉を広めたいという考えも、単に食べるだけでなく、その行為自体を楽しんでほしいという製造側の願いの表れと言えるでしょう。

パッケージに隠されたストーリー

ジョニ男のパッケージ裏面には、不良風の若い男性が座り込んでジョニ男を食べているイラストが描かれています。このキャラクターは「ボンジョルノ・ジョニオ」と名付けられており、公式情報によればマフィアの下っ端という設定です。彼はジョニ男が大好物で、将来はマフィア稼業から足を洗い、実家のイタリアンレストランを継ぐことを夢見ている、という細かなキャラクター設定が施されています。このような遊び心も、男前豆腐店製品の魅力の一つです。

ジョニ男は、その斬新なコンセプト、独特なパッケージデザイン、そして従来の豆腐の枠を超えた味わいと食べ方の提案により、多くの消費者に驚きと楽しみを提供しています。単なる食品としてだけでなく、一つの文化的なアイコンとしても親しまれています。

関連事項

風に吹かれて豆腐屋ジョニー
男前豆腐店

もう一度検索