ジーマーミ豆腐

ジーマーミ豆腐とは

ジーマーミ豆腐は、沖縄県や鹿児島県で親しまれている郷土料理で、落花生（ピーナッツ）を主原料とする、一見豆腐のような食品です。琉球語で落花生を意味する「ジーマーミ」（地豆）が名前の由来で、地域によっては「ジーマミー」などとも呼ばれています。南西諸島以外では、ピーナッツ豆腐、落花生豆腐、だっきしょ豆腐といった名称でも知られています。

特徴

ジーマーミ豆腐は、その名に「豆腐」とありますが、大豆は一切使用していません。落花生を絞った汁に、芋くず（サツマイモデンプン）を加えて作ります。この製法は、胡麻豆腐の胡麻を落花生に、葛粉を芋くずに置き換えたものと考えると分かりやすいでしょう。そのため、胡麻豆腐と同様にもちもちとした独特の食感が特徴です。

沖縄県内や鹿児島県内のスーパーマーケット、市場などでは、手軽に購入できる一般的な食品です。市販品にはタレが添付されており、それをかけて食べるのが一般的です。また、沖縄県では出汁のタレ以外にも、黒糖味、紅芋味、チョコ味といった様々な甘い味のジーマーミ豆腐も販売されており、バラエティ豊かな味が楽しめます。

地域による違い

ジーマーミ豆腐は、南西諸島を中心に、様々な地域で愛されています。

沖縄県: 県内全域で広く親しまれています。
鹿児島県: 奄美群島の与論島では「地豆豆腐（じんまみとーぷ）」、徳之島では「地豆豆腐（じまむぃどふ）」として作られています。特に徳之島は落花生栽培が盛んで、ジーマーミ豆腐の他にも落花生を使った様々な食品が作られています。
鹿児島県本土: 鹿児島市や鹿屋市など、奄美群島とつながりの深い地域では「落花生豆腐（だっきしょどうふ）」として親しまれています。「だっきしょ」は落花生の薩摩弁訛りです。
その他の地域: 精進料理として知られる胡麻豆腐の応用から、大分県由布市湯布院町や熊本県西原村などでも、地域や店舗で伝統的に作られています。
海外: 台湾南部の一部地域では、「花生豆腐」（ホワションドウフ）として知られています。台湾では、薩摩芋デンプンではなく、主にうるち米の粉で粘りを出し、醤油ベースのあんをかけ、刻み葱やピーナッツをまぶして食べます。

作り方

ジーマーミ豆腐の基本的な作り方は、水に浸した落花生をすり潰し、芋くずを加えて裏ごしします。それを火にかけて練り混ぜ、冷やして固めることで完成します。細かい調理方法は地域や家庭によって異なり、例えば鹿児島県鹿屋市では、水、落花生、薩摩芋デンプンの比率を4:1:1として作る伝統があります。また、鹿屋市では、落花生をミキサーにかけてから水と薩摩芋デンプンを加えて加熱する方法も用いられています。

食べ方

最も一般的な食べ方は、出汁タレや醤油を使ったタレをかける方法です。しかし、地域によっては黒蜜や砂糖をかけたり、大分県ではゆず胡椒と醤油で食べるなど、多様な食べ方があります。鹿児島県では、梅干し入りの砂糖醤油だれや酢味噌で食べることもあります。また、表面にデンプンをまぶして油で揚げ、から揚げや揚げ出し[[豆腐]]のようにして食べるのもおすすめです。

注意点

ジーマーミ豆腐は落花生を原料としているため、ピーナッツアレルギーを持つ人が食べると、重篤なアレルギー反応（アナフィラキシー）を引き起こす可能性があります。実際に、ピーナッツアレルギーを持つ観光客が、ジーマーミ豆腐とは知らずに食べて救急搬送される事例も報告されています。そのため、沖縄県内の保健所などでは、飲食店に対してジーマーミ豆腐の原材料がピーナッツであることを明記するように呼びかけています。アレルギーをお持ちの方は、十分に注意してください。

関連情報

ジーマーミ豆腐についてさらに詳しく知りたい場合は、以下の情報もご参照ください。

関連項目
豆腐
胡麻豆腐
ハウピア
沖縄料理
奄美料理
薩摩料理
台湾客家料理
外部リンク
沖縄言語研究センター
首里・那覇方言音声データベース ジーマーミ
* 今帰仁方言音声データベース ヂーマミー

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