スリーブ

スリーブ (sleeve)とは

スリーブは、その形状から「覆う」「包む」といった意味合いで、様々な分野で使用される言葉です。ここでは、スリーブの多様な意味と具体的な用途について解説します。

1. 衣類におけるスリーブ

最も一般的なスリーブは、衣類の袖を指します。腕を覆う部分であり、デザインや機能性によって様々な形状があります。袖が無い衣服はノースリーブと呼ばれます。

2. 容器・包装におけるスリーブ

物を保護したり、収納したりするための箱、容器、袋などもスリーブと呼ばれます。具体的には、以下のようなものがあります。

スリーブ箱: 製品を保護するための箱。
レコードジャケット (レコードスリーブ): レコード盤を保護する紙製のカバー。
CDやフロッピーディスク用スリーブ: CDやフロッピーディスクを保護する紙やプラスチックフィルム製の袋。
カードスリーブ: トレーディングカードなどを傷や汚れから保護するためのプラスチックフィルム製の袋。
消しゴムケース: 消しゴムを保護し、使いやすくするためのケース。

3. 建設工事におけるスリーブ

建設工事においては、配管などを構造体や躯体を貫通させるための比較的小さな孔を指します。具体的には、以下のような種類があります。

クーラスリーブ: 冷暖房設備の配管を通すためのスリーブ。
設備配管用スリーブ: 上下水道管や空調管などの配管を通すためのスリーブ。
電気配線用スリーブ: 電気配線を通すためのスリーブ。

構造体を貫通させる場合は、断面欠損を補うために配筋による補強が必要となることがあります。また、防火区画を貫通する場合は、防火ダンパーの設置や貫通部分の耐火材による施工が義務付けられています。

なお、縦方向に軸線上に連続して貫通する大きな孔は、シャフト（縦穴貫通孔）と呼ばれ、スリーブとは区別されます。

4. 電気工事におけるスリーブ

電気工事では、電線を接続する際に使用する部品をスリーブと呼びます。代表的なものとして、リングスリーブやS字スリーブなどがあります。これらは、電線を圧着接続するために用いられます。

5. 機械部品におけるスリーブ

内燃機関（エンジン）の部品として、シリンダーライナー (シリンダースリーブ) があります。シリンダー内部を保護し、ピストンの摺動を滑らかにする役割を果たします。


このように、スリーブは様々な分野で異なる意味合いで使用されています。それぞれの分野におけるスリーブの役割を理解することで、より深くスリーブという言葉を理解することができます。

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