セガ・マークIII

セガ・マークIIIの概要

セガ・マークIII（SEGA Mark III）は、1985年10月20日にセガ・エンタープライゼスから発表された家庭用ゲーム機で、製品番号はSG-1000M3として流通しました。本機は、前世代のSC-3000シリーズやオセロマルチビジョンと互換性を保ちながらも、同時発色数やスプライト、スクロール機能の強化が行われたものです。また、日本国外市場向けには外装を変更し、「Sega Master System」として販売されました。

歴史

マークIIIは、家庭用ゲーム機の需要と当時のアーケードゲーム市場の盛況を受けて開発されました。開発担当のセガ・インタラクティブの石川雅美は、当時の状況を踏まえた上で高性能なハードを目指したと説明しています。従来のSG-1000シリーズはゲーム機として成功を収めましたが、アーケードゲームの移植には性能が不足していました。そのため、マークIIIの開発に至った経緯があります。

発売時には、競合としてファミコンやエポック社のスーパーカセットビジョンが存在し、セガは性能面で遅れを取っていました。しかし、マークIIIの導入により、家庭用ゲーム機の市場における競争力を取り戻すことができました。マークIIIは、1987年まで市場においてほぼ唯一のファミコン対抗機として機能しました。

システム仕様

マークIIIの主な性能は以下の通りです：

• - CPU: NEC製uPD780C-1（Z80A相当）、動作周波数は3.579545MHz。
• - RAM: 8KiB
• - VRAM: 16KiB
• - 画像表示LSI: ヤマハ製315-5124、互換性あり
• - 表示解像度: 256 × 192ドット、スプライトや背景キャラクターのパターン数は最大512ですが、実際には制約があります。
• - 色数: 64色の中から16色パレットでの表示が可能

マークIIIはハードウェアスクロール機能を搭載し、音声機能として仕様はSN76489相当の音源が内蔵されています。ジョイパッドは二つの接続端子が備わっており、操作性にも工夫が施されています。特に、ポーズボタンやROMカートリッジ、マイカードスロットといった拡張機能も充実しています。

周辺機器とソフト

対応しているソフトウェアは、マークIII専用ソフトの他、SG-1000、SC-3000、オセロマルチビジョン用のソフトも利用可能です。しかし、色味に関してはマークIIIに最適化されていないため、発色が異なる場合があります。

マークIII用の主なソフトには、マイカード仕様のソフトやゴールドカートリッジ、シルバーカートリッジがあります。業務用基板である「セガ・システムE」は、マークIIIの技術を応用したもので、音源や性能面で強化されています。

主なゲームタイトル

登場したゲームタイトルには、「ハングオンJr.」や「ファンタジーゾーンII」などが含まれ、これらはマークIIIの性能を活かして開発されました。

結論

セガ・マークIIIは、家庭用ゲーム機の進化において重要な一歩を踏み出した製品であり、その機能性と性能は当時の市場に新たな風を吹き込むものでした。任天堂のファミコンとの競争の中で、セガのブランド力を養う基盤ともなった本機の影響は計り知れません。

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