マイカード

セガ・マイカード：名刺サイズのゲームソフト革命とその終焉

セガは、1980年代半ば、ゲームソフトの供給媒体として画期的なICカード型ROM「マイカード」を導入しました。それまでのROMカートリッジはかさばり、流通面で課題を抱えていました。そこでセガは、SG-1000 IIの発売と同時に、ソフトパッケージの小型化を図るも、カートリッジ自体のサイズ縮小には限界がありました。

ユーザーの収納面における負担も考慮し、セガは名刺サイズのマイカードを採用。当初は全てのソフトをカード化するという野心的な計画がありました。しかし、ゲームソフトの大容量化の流れは避けられず、最大32KB(マークIII専用ソフトは最大64KB)のマイカードは、大容量化が容易なROMカートリッジに徐々にその座を奪われていきました。

1986年には、容量が4倍となる1Mbit(128KB)のゴールドカートリッジが発売され、セガはROMカートリッジ路線へ回帰。マイカードは1987年3月に『ウッディポップ』の発売をもって販売を終了しました。

マイカードの仕様とバリエーション

容量: 最大32KB
サイズ: 厚さ約2mm
ピン: 36ピン (上部17ピン、下部19ピン)

マイカードにはいくつかのバリエーションが存在しました。

マイカード: SG-1000シリーズ、SC-3000シリーズ、そして互換機であるツクダオリジナルのオセロマルチビジョンシリーズ、パイオニアのSD-G5で使用可能。セガ・マークIIIおよび国内版マスターシステムでも使用できました。初期には、カードスロットを持たない機種で使用するための変換アダプタ「カードキャッチャ」が同梱されていました。
マイカード マークIII: セガ・マークIII専用のICカード型ROMソフト。国内版マスターシステムやメガアダプタでも使用可能でした。海外版では「Sega Card」として発売されました。
Sega Card: 海外版マスターシステム専用のICカード型ROMソフト。Power Base Converter(海外版メガアダプタ)でも使用可能でした。
* EPマイカード: マスクROMをEP-ROMに変更し、ソフトウェアの書き換えを可能にしたマイカード。試験販売のみで、ほとんど流通しませんでした。ユーザーは有料でゲームの書き換えが可能なシステムが計画されていましたが、販売店などの協力が得られず、発売中止となりました。

マイカードの市場における展開

日本国内

1985年7月に日本で販売開始されました。最初のマイカードソフトは『ドラゴン・ワン』と『ズーム909』でした。セガ・マークIII発売後の1985年10月からは、SG-1000/SC-3000シリーズとその互換機、そしてセガ・マークIIIで使用可能なソフトとなりました。セガ・マークIII以降の機種はマイカードスロットを標準装備していたため、カードキャッチャは不要でした。ただし、メガドライブにメガアダプタを接続した状態では、SG-1000/SC-3000シリーズとの互換性が無いため、マイカードソフトは使用できませんでした。

ニュージーランド

ニュージーランドでは、Grandstand Leisure Limited社がマイカードとカードキャッチャを販売。日本とは異なるタイトルが発売されました。

マイカード マークIII

セガ・マークIII専用のマイカードソフトは「マイカード マークIII」と呼ばれていました。1986年のゴールドカートリッジ登場後、徐々に姿を消していき、1987年には姿を消しました。セガ・マークIII、マスターシステム、そしてメガアダプタを接続したメガドライブで使用可能でしたが、それ以前のセガハードでは使用できませんでした。

終わりに

マイカードは、ゲームソフトの供給媒体として革新的な試みでしたが、大容量化の流れに対応できず、短命に終わりました。しかし、その存在はPCエンジン'>[セガ]]の歴史において、重要な1ページを刻んでいます。当時、マイカードやマイカード マークIIIの説明書についている応募券を集めると、マイカードホルダーがもらえるキャンペーンも行われていました。 マイカードは、ゲームの歴史における興味深い逸話として、今も語り継がれています。 また、HuCARD]、[BEE CARD]など、他のゲーム機でも類似のカード型媒体が用いられていましたが、マイカードはその先駆け的な存在だったと言えるでしょう。

もう一度検索