セメダイン

セメダイン株式会社について

セメダイン株式会社は日本を代表する接着剤メーカーであり、業界初の合成接着剤を開発した歴史を持ちます。東京都品川区に本社を構え、接着剤産業において長い間革新を続けてきました。

社名の由来

セメダインという社名は、創業者の今村善次郎が接着剤のブランド名として考案した造語で、英語の「CEMENT」と力の単位「DYNE」を組み合わせたものです。また、当時の市場では、イギリス製の接着剤「メンダイン」に対抗する意味合いも持っていました。戦前にはこの「セメダイン」という名称が一般名詞化し、接着剤全般を指す言葉として広く使用されるようになりました。なお、今村善次郎が「接着剤」という言葉を作ったとの主張もありますが、この言葉自体は以前から存在していたとの見解が主流です。

主な製品

セメダインC

「セメダインC」は1938年に登場したニトロセルロース系の接着剤で、木材や紙、布などの接着に適しています。プラモデルには不向きですが、歴史的には重要な商品とされています。特に、重要科学技術史資料にも選出され、1992年度には年間250万本以上が生産されていました。

プラモデル用セメダイン

プラモデル用の接着剤は1962年に発売され、さまざまなバリエーションが存在します。チューブ入り、ビン入りの製品があり、それぞれ成分や用途が異なります。特にスチロール樹脂製のプラモデルには最適です。

セメダインコンタクトと学校工作用セメダイン

1963年にリリースされた「セメダインコンタクト」は、接着面を同時に接着する特性を持った製品です。また、「学校工作用セメダイン」は、学生向けにデザインされた接着剤として、今でも多くの教育現場で使用されています。

歴史の中での挑戦

セメダインは、創業から多くの困難を乗り越え、歴史を築いてきました。戦中には模型飛行機の人気もあり、接着剤の需要は急増しましたが、原料調達に困難を伴いました。戦後はプラモデル用接着剤の普及に努め、特に1960年代から1970年代にかけては業界の成長を牽引しました。

発展と近年の動向

今日、セメダインは単に接着剤を製造するだけでなく、防水用接着剤やシリコーン系接着剤など多様な製品を提供しています。DIY市場の成長もあり、一般消費者向けにも多くの製品が提供されています。また、国際的にも事業展開を進め、タイや台湾などにも拠点を置いています。

年表

• - 1923年: 今村善次郎によって接着剤の製造販売が開始
• - 1938年: セメダインC発売
• - 1962年: プラモデル用接着剤発売
• - 2004年: タイに新工場を設立
• - 2022年: カネカの完全子会社となる

社会的責任と課題

セメダインは1960年代から続く「ボンド遊び問題」など、社会的な課題に対しても積極的に取り組んできました。特に工業用接着剤の成分見直しなどは重要な対策です。最近ではリコール問題にも直面し、製品の安全性向上に努めています。

結論

セメダイン株式会社は、接着剤業界における重要なプレーヤーとして、革新を続けています。日本国内外で愛される製品を提供し、未来に向けた技術開発にも力を入れ、今後の展開が期待されています。

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