セントラルライナー

セントラルライナー：中央本線の快速列車

JR東海がかつて中央本線（中央西線名古屋地区）の名古屋駅～中津川駅間で運行していた快速列車「セントラルライナー」は、座席指定制という特徴を持つ列車でした。1999年12月4日のダイヤ改正で運行を開始し、名古屋～多治見駅間では、座席を指定できる乗車整理券（310円）の購入が必要でした。この乗車整理券は、ホームライナーと同様のシステムでした。

運行概要と人気

セントラルライナーは、既存の名古屋～中津川間の快速列車の一部を置き換える形で登場しました。専用の313系8000番台を使用し、停車駅を減らすことで、東濃地域からの名古屋へのアクセス時間を短縮。着席が保証されるため、高い人気を博しました。しかし、この運行開始により、それまで確立されていた快速と普通列車のパターンダイヤが崩れ、愛知県内の快速停車駅では昼間の運行本数が減少し、通過駅ではダイヤの乱れが生じるという課題も発生しました。この問題は、2008年3月15日のダイヤ改正で、名古屋～高蔵寺間に普通列車を増発することで改善されました。

問題点と運行終了

岐阜県内の利用者にとっては、乗車整理券の購入が必須だったこと、料金の割に座席が通常の快速列車と同じ転換クロスシートだったこと、多治見～中津川間の相互利用時に空席があっても着席が保証されなかったことなどが問題点として挙げられます。これらの課題は、乗車整理券制度自体に起因するものでした。

2013年3月16日のダイヤ改正で、名古屋～中津川間に追加料金不要な快速列車を増発したことに伴い、セントラルライナーは運行を終了しました。これにより、名古屋～多治見間の日中の快速列車の本数は、毎時4本から3本に減少しました。

運行状況と停車駅

セントラルライナーは日中に運行され、運行本数は時期によって変動しましたが、最盛期には1日11往復が運行されていました。全区間全車指定席でしたが、指定席券ではなく、より安価な乗車整理券で座席を指定するシステムでした。ただし、多治見～中津川間では乗車整理券が不要でしたが、持たない乗客は座席が保証されず、整理券を持つ乗客が現れた場合は席を譲らなければなりませんでした。

停車駅は、名古屋、金山、千種、高蔵寺、多治見、土岐市、瑞浪、釜戸、武並、恵那、美乃坂本、中津川です。多治見～中津川間は各駅に停車していました。

使用車両と特徴

セントラルライナーは、専用の313系8000番台電車を使用していました。3両編成または、2本連結した6両編成での運行もありました。この車両は、シートピッチの拡大、背もたれのサイズアップ、カーテンや扉付近の仕切り設置など、快適性を向上させるための改良が施され、車内は赤紫を基調とした豪華なデザインでした。また、1両あたりの乗降扉は3か所ありますが、セントラルライナー運用時は中央の扉を閉鎖し、両端の2か所のみ使用していました。

最高速度は、当初は中央西線の制限速度である110km/hでしたが、後に120km/h、そして130km/hに引き上げられました。しかし、所要時間の短縮には繋がっておりませんでした。

運行開始当初は人気が高く、休日には車両が不足し、373系や383系などの特急車両を臨時で運用したこともありましたが、後に313系8000番台の増備で解消されました。なお、グリーン車は設定されていませんでした。

まとめ

セントラルライナーは、快適な座席指定制と時間短縮効果で人気を博した一方、ダイヤ改正による混乱や乗車整理券制度に伴う問題点も抱えていました。その運行は、JR東海のダイヤ改正の歴史の中で、重要な役割を果たしたと言えるでしょう。 運行終了後も、その存在は中央本線利用者にとって記憶に残るものとなっています。

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