ソブリン債

ソブリン債とは

ソブリン債とは、各国政府または政府関係機関が発行または保証する債券のことです。国債などがこれに該当します。ソブリン債は、その国の信用力を担保としているため、一般的には安全性が高いとされています。特に、OECD（経済協力開発機構）加盟国などのソブリン債は、信用格付けが高く、投資適格債と判断されることが多いです。

しかし、ソブリン債も事業債と同様に、デフォルト（債務不履行）のリスクがあります。デフォルトとは、債券の発行体が利払いや償還を予定通りに行えなくなることです。

ハイイールド債との違い

ソブリン債と対照的な債券として、ハイイールド債があります。ハイイールド債は、一般的に信用格付けが低く、デフォルトのリスクが高い分、利回りが高く設定されています。ソブリン債は、ハイイールド債に比べて利回りは低いものの、安全性が高いという特徴があります。

ソブリン債のデフォルト事例

ソブリン債も、事業債と同様にデフォルトが生じることがあります。過去には、日本もソブリン債のデフォルトを経験しています。1942年、第二次世界大戦の開始に伴い、連合国への支払いが困難になったため、米ドル建て国債がデフォルトとなりました。

経済制裁の手段としてのソブリン債

近年、ソブリン債は経済制裁の手段としても利用されています。例えば、2019年、アメリカ合衆国はロシアとウクライナの関係が緊迫する中で、ロシアに対する経済制裁として、アメリカ国内の投資家に対して非ルーブル建てロシアソブリン債の発行市場への参加を禁止しました。その後、ロシア・ウクライナ危機 (2021年-2022年)が悪化すると、自国の金融機関に対しルーブル建てロシアソブリン債の発行市場への参加も禁止しました。さらに、2022年のロシアによるウクライナ侵攻が起きると、ロシアソブリン債の流通市場への参加も禁止しました。日本もこの措置に同調し、ロシアソブリン債の発行・流通市場への参加を禁止しています。

このように、ソブリン債は、国の経済状況や国際関係によって、その価値が大きく変動する可能性があります。投資を行う際には、十分な注意が必要です。

まとめ

ソブリン債は、国が発行する債券であり、比較的安全な投資対象とされています。しかし、デフォルトのリスクや、経済制裁の手段として利用される可能性があることなど、注意すべき点も存在します。ソブリン債への投資を検討する際には、これらの点を十分に理解しておくことが重要です。

参考情報

デジタル大辞泉『ソブリン債』 - コトバンク
「ソブリン債などに関する資料」（香川県立図書館） - レファレンス協同データベース

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