ソムタム

ソムタム（タイ語: ส้มตำ）

ソムタムは、タイやラオスで広く親しまれている青パパイヤを使ったサラダです。この料理は、元々ラオスとタイのイーサーン地域に起源を持ち、タムマークフン（ຕໍາໝາກຫຸ່ງ）として知られていました。時間が経つにつれ、南下しながら料理のスタイルが変化し、結果として現在のタイ全域で広く食べられるソムタムが形成されました。そのため、ソムタムは今やタイ料理の一つとして確固たる地位を築いています。

海外にも類似した料理が見られ、例えばベトナムではゴイ・ドゥー・ドゥー（gỏi đu đủ）と呼ばれています。マレーシアやミャンマーにも似たようなサラダが存在し、それぞれの地域で独自のアレンジが加えられています。

この料理は主に四つの基本的な味覚の調和で成り立っています。青パパイヤの自然な甘み、ライムの酸っぱさ、唐辛子の辛さ、そして塩のしょっぱさが絶妙に組み合わさって、奥深い味わいを生み出します。

「ソム」という言葉はタイ語で「酸っぱい」を指し、「タム」は「搗く」を意味します。また、ソムタムはタイの中央方言に由来しますが、イーサーン語では「タムバックフン」と呼ばれることもあります。ラオスではこの料理をタムマークフンと呼ぶことが一般的ですが、ラオス独自の風味付けとしてパデーク（溜まり魚醤）が用いられるため、ラオスのタムマークフンとタイのソムタムは別物として認識されることがあります。

ソムタムの種類

ソムタムには多くのバリエーションが存在し、その種類は加える材料によって変わります。青パパイヤの代わりにニンジンや生のマンゴー、キュウリを使用して作ることも可能です。マンゴーを使ったソムタムはタムマムワン（ตำมะม่วง）と呼ばれ、キュウリのサラダはタムテーンクワー（ตำแตงกวา）という名前で知られています。

本来のソムタム（ソムタム・ラーオやソムタム・プーと呼ばれるもの）は、発酵させた小さなカニを使用していて、非常に辛く、酸味の強い特徴があります。ただし、生のカニを使用する際は寄生虫のリスクがあるため、注意が必要です。一方で、タイの中央部で好まれるソムタム・タイは干しエビを代用し、辛味が抑えられたマイルドな味付けが特徴です。このスタイルが最近では多くの人に好まれ、人気を集めています。

提供方法

ソムタムは通常、常温で提供されます。多くの場合、小さなセイロで蒸されたもち米が付いてきます。サラダには生のキャベツやウイングビーン（四角豆）、ほうれん草、さらに豚の皮や鶏肉の焼き物、ガイヤーン（ไก่ย่าง）などが添えられることもあります。これにより、食べる人はさまざまな食感や味の組み合わせを楽しむことができます。

ソムタムは、単なるサラダ以上のものとして、多様な文化や地域の影響を受けながら、常に進化している料理なのです。

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