ライム

ライムとは

ライム（学名: Citrus aurantiifolia）は、柑橘類に属する果実であり、元々はインドからミャンマー、マレーシアの熱帯地域が原産です。この低木は耐寒性があり、苗としての流通も行われています。果実はレモンに似ていますが、小ぶりで、乳頭と呼ばれる突起が少し小さいのが特徴です。主にタヒチライムとメキシカンライムに分けられ、日本に流通するライムはタヒチライムが主流です。

特徴

ライムの果実は直径が約6〜8センチメートルで、形状はレモンよりも丸みを帯びています。皮は薄く、色合いは緑がかっており、果肉にもわずかに緑色が残ます。完熟すると皮は黄色く変わりますが、果汁の酸味が失われるため、通常は緑色の状態で収穫されます。その味わいは酸っぱさの中にわずかに苦味を感じさせ、香りもレモンに似つつも一層鋭い印象があります。特に収穫直後に感じられるフレッシュな香りは、時間が経つにつれて弱まります。

主な生産地にはメキシコ、インド、エジプトなどがあります。

利用法

料理や飲料では、ライムは輪切りやくし切りにして使用します。その酸味はさっぱりとした味わいを与え、多くのカクテルにも利用されています。代表的なカクテルには、ジン・トニック、ダイキリ、モヒートなどがあります。スライスしたライムをグラスに入れたり、果汁を加えたりすることで、飲み物に爽やかな風味をプラスできます。また、加糖されたライムジュース「コーディアルライム」も一般的に使われています。

さらに、キーライムを用いたパイやシャーベット、お菓子作りにも重宝されています。インド料理では、チャツネやピクルスにライムが使用され、中東では乾燥ライムが香り付けや調味料として使われています。

その他の種類

「ライム」と呼ばれる他の柑橘類には、スイートライム（Citrus limettioides）、オーストラリアン・フィンガーライムなどがあります。また、ライムの伝統的な利用方法の一つとして、大航海時代にはビタミンC補給のために壊血病対策にライムジュースが用いられました。特にイギリス海軍では、ライムジュースが重要な役割を果たしました。この影響から、アメリカではイギリス人を「ライム野郎（limey）」と呼ぶスラングが生まれました。

ただし、イギリスでは「ライム」という言葉が広義に柑橘類全般を指すため、レモンなどもこの枠に入ります。これにより、ライムがレモンに比べてビタミンC濃度が低いこともあり、混乱を招くことがありました。このような食料安全の面での誤解は、特に海軍の健康管理において重要な問題となりました。

まとめ

ライムはその特徴的な酸味と香りにより、料理や飲料に欠かせない存在です。その利用法は多岐にわたり、スイーツからカクテル、さらには保存食に至るまで幅広く活躍しています。個々の香味成分を生かした料理を楽しむために、ライムは非常に重宝される果実です。

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