ゾンビパラダイス

ゾンビパラダイスとは

「ゾンビパラダイス」は、東京都文京区にある東京ドームシティ内のアトラクションズエリアに位置した、かつて人気を博したお化け屋敷です。具体的には、複合施設「ジオポリス」の内部に設置されており、訪問者を奇妙で恐ろしい、しかしどこかユーモラスなゾンビたちの世界へと誘いました。2008年1月14日、ジオポリスそのものの閉鎖に伴い、「ゾンビパラダイス」もその歴史に幕を下ろしました。

このアトラクションの最大の特徴は、単に歩いて進むのではなく、専用のライド（乗り物）に乗って移動するスタイルであったことです。これにより、来場者は安全かつスムーズに施設内を巡ることができ、様々な仕掛けやゾンビの演出を楽しむことができました。公式サイトでは「西洋風お化け屋敷」と紹介されており、その名の通り、欧米のホラーテイストを取り入れた独特の雰囲気を持っていました。

利用に関する情報は以下の通りです。

所要時間: 約3分30秒
料金: 600円（3歳未満は無料）
乗車定員: 1台あたり6名
施設: 完全な屋内施設であったため、天候に関わらず雨の日でも安心して利用できました。
利用制限: 基本的には年齢制限はありませんでしたが、安全上の観点から、6歳未満のお子様が利用する際には、中学生以上の同伴者が必要でした。

期間限定の特別イベント

「ゾンビパラダイス」では、通常のライド形式とは異なる趣向を凝らした期間限定イベントも開催され、リピーターを含め多くの注目を集めました。

殺人鬼の眠る墓 / 呪いの椅子

2001年の夏（7月から9月にかけて）に実施されたこのイベントでは、通常はライドに乗る形式が、特別に徒歩で進むタイプのお化け屋敷に変更されました。これにより、より間近で、より臨場感のある恐怖体験が可能となりました。

「殺人鬼の眠る墓」: 午後4時30分までの時間帯に実施されたパートです。このイベントでは、焼死したとされる殺人鬼の棺を開け、残された歯形を確認するというミッションが用意されており、単なるホラー体験に加えて謎解きの要素が加わっていました。
* 「呪いの椅子」: 午後5時以降に実施されたパートです。こちらは二人組での参加を想定しており、一人が専用の車椅子に座り、もう一人がその車椅子を押して出口まで進むという、ユニークな形式でした。特にカップルでの体験が推奨されており、協力しながら恐怖を乗り越えるというコンセプトが特徴的でした。

ハロウィンゾンビパラダイス

毎年10月のハロウィンシーズンに開催された限定イベントです。基本的な内容は通常の「ゾンビパラダイス」と同様でしたが、ハロウィンならではの特別な演出が施されました。館内の照明が意図的に落とされ、参加者はカボチャの形をした可愛らしいライトを手に、その明かりだけを頼りにコースを進みました。これにより、通常時とはまた違った、薄暗く幻想的ながらも一層不気味さが増した雰囲気の中で、ゾンビたちの世界を体験することができました。

補足情報

直接「ゾンビパラダイス」アトラクションとは関係ありませんが、マイクロソフトのゲーム機Xbox 360向けに発売されたホラーアクションゲーム『DEAD RISING（デッドライジング）』は、ショッピングセンターに大量発生したゾンビと戦う内容であり、そのゲーム中で見られる多種多様で個性的なゾンビたちの様子から、一部のコンピュータゲーム関連メディアでは俗に「ゾンビパラダイス（ゲーム）」という通称で呼ばれることがありました。しかし、これはあくまで通称であり、東京ドームシティのアトラクションとは内容もコンセプトも全く異なります。また、『DEAD RISING』は対象年齢が18歳以上（Z指定）とされており、利用制限の点でも大きな違いがあります。

また、ジオポリスが閉鎖される直前には、施設内に展示されていた「キングゾンビ」と呼ばれる人形が、抽選でわずか1名の幸運な来場者にプレゼントされるという、ファンにとっては非常に魅力的なキャンペーンが実施されました。これもまた、「ゾンビパラダイス」が多くの人々に愛されていた証と言えるでしょう。

このように、「ゾンビパラダイス」は、ライド型という手軽さと、本格的なホラー演出、そしてユニークな期間限定イベントによって、東京ドームシティにおける忘れられないアトラクションの一つとして、多くの人々の記憶に残っています。

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