タブクリア

タブクリア (TaB clear) とは

1993年、コカ・コーラ社がアメリカで発売した炭酸飲料が「タブクリア」です。これは、同社が1962年に発売したノンカロリーコーラ「タブ（TaB）」の無色透明版として開発されました。オリジナルのタブは甘味料にサッカリンを使用していましたが、タブクリアではアスパルテームが採用されました。

開発の背景

当時、アメリカでは透明なコーラ、いわゆる「クリアコーラ」ブームが起こっており、クリスタルペプシなどが人気を博していました。タブクリアもこの流れを受けて開発されたと考えられます。しかし、日本においてはクリアコーラのブームはそれほど大きくはならず、またオリジナルであるタブ自体が日本で発売されていなかったこともあり、タブクリアの人気は低迷しました。

日本での展開

日本では、フジテレビの『FNNニュースレポート23:00』や日本テレビの『マジカル頭脳パワー!!』などで知られる政治評論家の俵孝太郎氏を統一広告キャラクターに起用し、大々的なプロモーションを展開しました。発売前には「コカ・コーラがまったく新しい飲料を発売する」というCMで消費者の関心を引きつけ、発売後には「考えたってしょうがない」というキャッチコピーを用いたCMが放送されました。

販売不振と終売

タブクリアはアメリカ、イギリス、日本など各国で同時発売されましたが、いずれの国でも消費者の支持を得られず、発売から1年足らずで製造中止となりました。クリアコーラという新しい試みは、市場には受け入れられなかったと言えるでしょう。

関連商品

ラムクリア: タブクリア発売時に、フローズンタイプの「ラムクリア」も同時に発売されました。こちらもタブクリアと同様、短期間で販売終了となっています。
ミラクルアルファ・ホワイトコーラ: タブクリアよりも前の1984年に、森永製菓から「ミラクルアルファ・ホワイトコーラ」というクリアコーラ製品が販売されていました。こちらも販売開始から1年程度で終売となりましたが、後に復刻版として限定発売されています。
コカ・コーラ クリア: 2018年6月11日、ほぼ同様のコンセプト（レモン風味・強炭酸・スクラロース使用）を持つ透明なコーラ「コカ・コーラ クリア」が日本限定で発売されました。こちらは、タブクリアの失敗を教訓に、市場のニーズを捉えた商品と言えるでしょう。

まとめ

タブクリアは、コカ・コーラ社が新たな市場開拓を目指した意欲的な商品でしたが、市場の動向や消費者の嗜好とのミスマッチから、短期間で販売終了という結果になりました。しかし、その革新的な試みは、後のコカ・コーラ クリアの発売につながり、その後の飲料市場に一定の影響を与えたと言えるかもしれません。

関連項目

コーラ

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