ツアー・オブ・ジャパン

ツアー・オブ・ジャパン（Tour of Japan）

ツアー・オブ・ジャパン（略称TOJ）は、毎年5月に日本で開催される著名な自転車ロードレース大会です。このイベントは、自転車月間推進協議会が主催し、自転車月間における最大の催しと位置付けられています。1996年から毎年行われているこの大会は、日本を代表するステージ制ロードレース大会として位置づけられています。

概要

ツアー・オブ・ジャパンは、UCIアジアツアーに組み込まれた重要なレースであり、2024年現在のレースグレードは2.2（ステージレース・クラス2カテゴリー）です。過去には、2013年から2020年、さらに2023年にはワンランク上の2.1（ステージレース・クラス1カテゴリー）として開催されました。1982年から1995年まで実施されていた国際サイクルロードレースの伝統を受け継ぎ、毎年実施されていますが、度重なる自然災害や感染症の影響でいくつかの大会は中止されました。例えば、2003年にはSARS、2011年の第15回大会は東日本大震災、そして2020年は新型コロナウイルスの影響で開催が中止されました。

大会は通常、全8日間の日程で行われます。様々なステージが設定され、選手たちが日本各地を巡る形でレースが展開されるのが特徴です。2017年から2020年までの期間は「NTN presents ツアー・オブ・ジャパン」としてNTNが冠スポンサーにつき、その後2022年には三菱地所が冠協賛になりました。

出場チーム

大会には、日本国内登録の「国内チーム」と海外からの「海外チーム」が参加します。各チームは通常5名（最低4名）で構成され、参加チーム数は最大で16チーム、96名に及びます。国内チームの枠は主にコンチネンタルチームから出場権を争っていますが、2012年の第15回までは実業団ランキング上位のチームも参加可能でした。UCIアジアツアーのカテゴリーが2013年に引き上げられたことに伴い、出場権が厳しくなり、国内コンチネンタルチームのみが出場可能となりました。

海外チームはアジア諸国やオーストラリアを中心に招待され、日本にゆかりのあるチームも多く出場する傾向があります。そのため、特に日本人選手が所属するチームが多く招待されることが特徴です。

各賞について

ツアー・オブ・ジャパンでは、個人賞とチーム賞が設定されており、個々の選手の優秀な成績に対する表彰が行われます。個人賞は、総合時間賞やポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞があり、各ステージ終了後にリーダージャージを授与されます。また、チーム賞は各チームの上位3選手の合計タイムに基づいて決定され、最終日の表彰台で成果が称えられます。

ステージ及び放送

大会は、数つのステージから構成されており、例えば堺ステージ、京都ステージ、美濃ステージ、いなべステージなどが代表的です。各ステージの設定距離や形式は多岐にわたり、例えば堺ステージは短距離のタイムトライアル形式、富士山ステージはヒルクライムの激坂を登る過酷な設定となっています。

大会はテレビやYouTube等のプラットフォームを通じて広く放送されており、視聴者は各ステージでのレースをリアルタイムで楽しむことができます。

課題

日本国内では最高のステージレースとされながらも、時期的にジロ・デ・イタリアと重なるため、海外の強豪チームを招待することが難しいという課題も存在します。また、以前の「ゾンビルール」と呼ばれる特定の規定については批判があり、現在は廃止され、厳格なルールが適用されています。

このように、ツアー・オブ・ジャパンは自転車ロードレース界において重要なイベントであり、多くの選手やチームが力を競い合う舞台として位置づけられています。

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