ツバル

ツバルについて

ツバル（ツバル語: Tuvalu）は、オセアニアの南太平洋に位置する小さな立憲君主制国家で、9つの島から構成されています。首都はフナフティで、かつては「エリス諸島」として知られていました。1978年にイギリスから独立し、現在は英連邦の一員としてその存在を保っています。

国の特徴と歴史

ツバルは、独立した国家の中でも最も人口の少ない国の一つで、最高海抜がわずか5メートルという低地に位置しています。このため、海面上昇や地盤沈下に対して非常に脆弱です。2000年には、国際的なインターネットドメイン「.tv」をアメリカの企業に5,000万ドルで売却し、その利益で国連に加盟しました。

独自の国名の由来は、現地語で「立ち上がる」を意味する「tu」と、かつて人が住んでいた島の数である「valu（8）」から来ています。最初の人々は、西ポリネシアから航海してきたポリネシア人やラピタ人と考えられています。ヨーロッパ人が最初に訪れたのは1568年ですが、植民地化はされませんでした。19世紀には奴隷貿易や労働力供給のために多くの住民が移動させられ、人口が大幅に減少しました。

1892年にイギリスの保護領となり、1916年に植民地化されました。1949年に無人島となっていたニウラキタ島への移住が行われ、1978年に完全な独立を果たしました。

政治と社会

ツバルは議院内閣制に則り、首相を中心とする内閣が行政を担当しています。国会は一院制で、議員の任期は4年で16議席あります。ツバルには政党が存在せず、議会は国民の直接選挙によって選ばれます。

地理と環境

ツバルは、フィジーの北約1,000キロメートルに位置し、小さなサンゴ礁の島々が広がっています。全体の面積は約26平方キロメートルと、世界で4番目に小さい国とされています。四季は、11月から3月にかけて強い風や豪雨が多く、特に2月のキング・タイドと呼ばれる高潮が問題視されています。

海面上昇は大きな問題で、塩水の浸入や地下淡水レンズの塩化が懸念されます。しかし、最近の研究では、1971年から2014年にかけて、面積が増加しているという報告もあり、複雑な状況です。

経済

豊かな天然資源を有していないツバルは、基本的な収入源として海外からの援助に依存しています。主要な産業は漁業と観光業ですが、遠隔地に位置するため、多くの観光客は訪れません。政府は新しい収入源として、通信や漁業ライセンス、労働者の送金を模索しています。

文化と日常生活

住人の大部分はポリネシア系で、97パーセントがプロテスタントのクリスチャンです。伝統的な共同体のシステムが残る中、サッカーが最も人気のあるスポーツとなっています。日常的にはツバル語が話されており、英語は公用語ですがあまり使われていません。

気候変動への対策

ツバルは気候変動に対する脆弱性を抱えており、国際的な支援を得ながら行動計画を策定しています。2020年までに再生可能エネルギーへの移行を目指し、国際的な連携を強化しています。また、ツバル政府は国境を越えた移住を提案するなど、将来的な存続を図る活動も行っています。

ツバルは際立った自然の美しさと独自の文化を持つ国でありながら、地球温暖化による脅威に直面しています。国際社会の支援と連携により、その未来が保たれることを願っています。

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