テンセントゲームズ

テンセントゲームズの概要と歴史

テンセントゲームズ（Tencent Games）は、中華人民共和国のIT企業であるテンセントに属するゲームパブリッシング部門です。この部門は、インタラクティブ・エンタテインメント分野の一環として運営されており、自社開発のゲームや海外スタジオからライセンスを受けた作品を幅広く展開しています。特に人気があるタイトルには、テンセントが開発した『王者栄耀』や『伝説対決 -Arena of Valor-』のほか、海外スタジオ制作の『PUBG MOBILE』が含まれます。

テンセントは、近年、グローバルなモバイルゲーム市場で中国系パブリッシャーの中でもトップクラスの地位を確立しています。現在、同社は200以上の国や地域で、自社開発およびライセンス作品を提供しており、その広がりは著しいです。特に、傘下のTiMi Studiosが手がけた『王者栄耀』は、2017年に世界で最も人気のあるゲームとして知られ、ダウンロード数も非常に多く、成功を収めています。

さらに、アクティビジョン・ブリザードとの協力により開発された『コール オブ デューティ モバイル』は、2019年10月時点で3500万回以上のダウンロードを達成し、2百万ドルを超える収益を上げました。

WeGameとユーザー数の急成長

テンセントゲームズは、オンラインゲームのプラットフォーム「WeGame」を運営しており、ここでの活動も注目されています。2017年には、競合サービスであるSteamを超えて、約2億人のユーザーを獲得しました。さらに、2019年末時点での登録者数は3億人、月間アクティブユーザーは約7000万人に及んでいます。これは、同社がオンラインエンターテインメント市場で持つ影響力の一端を表しており、積極的なサービス展開が功を奏しています。

歴史の中の重要な投資

テンセントの歴史を振り返ると、多くの戦略的な株式取得が行われてきました。2008年に、ライアットゲームズの株式22.34%を取得したことが起点となり、2011年にはその持分を92.78%に増加させ、最終的に2015年に完全買収を果たしました。また、2012年にはEpic Gamesの40%の株を取得し、ゲーム業界での影響力を拡大しました。

さらに、2016年には、フィンランドのSupercellの株式84.3%を86億ドルで取得し、さらなる成長を図っています。これにより、テンセントは様々なスタジオのゲーム制作に関与することが可能になりました。

CSR活動への取り組み

テンセントゲームズは、ゲームの利用促進だけでなく、社会的責任の観点でも注目されています。2017年には未成年者のゲーム中毒を防ぐために、大幅なプレイ時間制限を設け、登録の際には本名を求めました。2021年には顔認証システムを導入し、未成年者が夜間にゲームをプレイする際の認証を求めることで、自己規制を強化しました。これにより、未成年者がゲームをプレイする割合が0.7%に減少したとの報告もあります。このような取り組みは、企業の社会的責任を意識した運営方針の一環と言えるでしょう。

テンセントゲームズは、世界中のユーザーに幅広くゲームを提供しながら、エンターテインメント産業全体においてその地位を確固たるものとしています。今後もその成長が期待されます。

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