テンプレート

テンプレートとは、文書やデータを作成する際に用いられる雛形となるデータ、またはその概念そのものを指します。最も基本的なテンプレートは、レイアウトのみが定義されたもので、そこにテキストを流し込むことで、整った文書が完成します。一方、具体的なテンプレートは、文書自体に修正箇所や記入欄が設けられており、簡単な編集で目的の文書を作成できます。テンプレートには、これらの両極端なものだけでなく、さまざまな段階のものが存在します。

テンプレートを用いて文書を作成するプロセスは、手作業で行われることもあれば、ソフトウェアなどによって自動化されることもあります。テンプレートという言葉の語源は、四角形や円形に切り抜かれた定規板に由来し、そこから「一定の状態にするための型」という意味が派生しました。

ワープロのテンプレート

ワードプロセッサでは、定型的な文章が予め用意されたテンプレートが広く利用されています。これらのテンプレートに、名前などの必要な情報を入力したり、一部を書き換えたりすることで、体裁の整った文書を容易に作成できます。日本では、簡単な文書から複雑な表組みを持つ帳票まで、多種多様なテンプレートが利用されています。

また、ワープロソフトだけでなく、Microsoft ExcelやPowerPointなどのビジネスソフトでも、伝票や宛名ラベルなどの印刷に特化したテンプレートが利用されています。以前は、これらのテンプレートファイルは「テンプレート集」としてソフトウェアと共に販売されていましたが、近年ではインターネット上で広く公開されており、手軽に利用できるようになっています。

電子掲示板のテンプレート

電子掲示板では、長文を簡単に投稿するためのテンプレートが広く共有されています。これらのテンプレートは、過去の書き込みを基に作成され、一部を修正して利用されることが一般的です。テンプレートを基にした書き込み自体も、テンプレートと呼ばれることがあります。

特に、シリーズ化されたスレッドの冒頭では、スレッド作成者（いわゆる「>>1」）が、スレッドの目的やルールなどを記述した定型文を投稿することがあります。この定型文は、前スレッドからの変更点が少ない場合、URLなどを修正するだけで流用できます。また、参加者が事前に把握しておくべき知識などが含まれている場合もあり、参加者は一通り目を通しておく必要があります。長文となる場合やデータ消失を防ぐため、これらの定型文は参加者のウェブサイトなどに転記され、URLのみが記載されることもあります。その他、「コピペ」の雛形となるテンプレートも存在します。

テンプレートエンジン

テンプレートエンジンは、テンプレートから文書を作成するプロセスを自動化するソフトウェアです。テンプレートに埋め込むデータは、データモデルと呼ばれます。テンプレートエンジンは、同じレイアウトのWebページを大量に生成する際などに役立ちます。

テンプレート構文

テンプレート構文は、プログラミング言語や拡張テキストにおいて、繰り返し利用される部分を簡潔に表現するための構文です。テンプレートは、空白部分をメタ変数として定義し、呼び出す際にメタ変数に識別子や文字列を渡します。C++などのプログラミング言語で抽象データ構造を定義する際に使用される他、Wikiなどでは、{{ABCDE}}のような形式で利用されています。

関連事項

鎔笵: 鋳型を意味し、テンプレートの概念と共通点があります。
公式: 決まった形式やルールを指し、テンプレートの利用目的に関連します。
パターン: 繰り返される形や構造を指し、テンプレートの基礎となる概念です。
Webテンプレート: Webページのデザインや構造の雛形です。
お約束: 定型的な表現や行動を指し、テンプレートの利用目的に関連します。
ボイラープレート: 繰り返し利用されるコードの雛形を指し、テンプレートの利用と似ています。

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