ドアミラー

ドアミラーとは

ドアミラーとは、主に自動車の後写鏡（バックミラー）の一種で、運転手が前席ドアの外側に取り付けられた鏡を通じて側方や後方の視界を確認する装置です。英語では、フェンダーミラーを含めてウイングミラーと呼ばれています。これにより、運転者はより広い視野を確保でき、安全運転をサポートしています。

特長

ドアミラーは、同じ機能を持つフェンダーミラーと比較して、鏡面と運転手の目の距離が近く、より大きな視認性を提供します。このため、運転手は周囲の状況を把握しやすく、視界の確保が用意です。また、危険な突起物にはなりにくく、対人事故の際にも安全性が高いという特徴があります。

構造

大多数の自動車では、ドアミラーは車両の最も広い部分に位置しており、駐車時などには折りたたむことが可能な格納式設計が主流です。1984年に発売された日産・ローレルに、運転席からのスイッチで折りたたむことができるドアミラーが初めて搭載され、その後、電動格納式のドアミラーが世界中で広まりました。これらは、ドアロックやエンジンスイッチと連動するものも多く、また方向指示器を備えているものも見られます。さらに、日本では歩行者と接触した際の衝撃を軽減する構造が義務付けられています。

歴史

ドアミラーの起源は、自動車が密閉型構造に移行した際に遡ります。それ以前の車両では、後写鏡を風防に取り付けていましたが、この構造ができなくなった結果、フェンダーやドアに取り付けるようになりました。1950年代には、イギリスで一部の車両にフェンダーミラーが採用されたのが始まりとされています。しかし、初期の自動車の中には外部にバックミラーを装備していないものもありました。

ドアミラーへの移行

海外では1960年代の初めにはドアミラーが主流となり、日本では1983年までフェンダーミラーのみが認められていました。このため、当時はデザイン的にも機能的にもドアミラーの採用を希望するメーカーが多く存在したにもかかわらず、法的制約により導入はされていませんでした。1983年には運輸省がドアミラー車の導入を認可し、翌年には日産・パルサーエクサが発売され、日本製ドアミラー車の第一号となりました。

電子ミラーの導入

2015年、国際連合欧州経済委員会（UN/ECE）は後写鏡に関する新たな規則を施行しました。続いて日本でも2016年に道路運送車両の保安基準が改正され、基準を満たす電子ミラーのみの装備が許可されるようになりました。そして、2018年にはレクサスが新型ESに世界初のデジタルアウターミラーを採用することを発表しました。

まとめ

ドアミラーは、自動車の安全性向上に寄与する重要な要素であり、設計や機能の進化を続けています。その特長やメリットは、運転者が安心して運転するためには欠かせない要素といえるでしょう。

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