ド・ドドンパ

ド・ドドンパ（Do-Dodonpa, DDDNP）とは

山梨県富士吉田市の富士急ハイランドにかつて存在したジェットコースターです。2017年7月15日に「ド・ドドンパ」としてリニューアルオープンしましたが、2024年3月13日に惜しまれつつ営業を終了しました（実際の最終営業日は2021年8月11日）。2001年12月21日から2016年10月2日までは「ドドンパ」という名称で親しまれていました。FUJIYAMA、ええじゃないか、高飛車と共に、同園の「4大コースター」として人気を博しました。

概要

ドドンパ時代

1996年にキング・オブ・コースターFUJIYAMAが開業してから5年後の2001年に、満を持して登場した大型コースターです。一般的なコースターとは異なり、高い場所まで巻き上げられるのではなく、水平な場所から加速装置によって発射される、園内初の直線加速方式を採用しました。圧縮空気を用いた「エアーランチ方式」により、スタートからわずか1.8秒で最高速度172km/hに達するという驚異的な加速力を実現し、「ワールド・ブッチギリ・コースター」と称されました。最高速度172km/hは2001年当時ギネス世界記録に認定されています。さらに、垂直に上昇・落下する日本初の垂直タワーを備えていました。

しかし、垂直タワー頂上で発生する大きなマイナスGが人体に悪影響を及ぼす危険性があったため、フルパワーでの運転は見送られていました。

スタートするとトンネルの中へ移動し、「Launch Time!スリー! ツー! ワーン! ドドンパァ!」のカウントダウンと共に発射され、最高速度に達します。その後はゼロGフォール、大半径カーブ、垂直タワーを通過してフィニッシュとなります。

コース終盤にはライドフォトカメラが設置され、乗車後に写真を購入することができました。

2016年10月2日、コースレイアウトのリニューアルのため営業を終了しました。

ド・ドドンパ時代

2017年7月15日、最高速度の向上と垂直タワーを世界最大級の垂直ループに変更し、「ド・ドドンパ」としてリニューアルオープンしました。

最高時速は172kmから180kmに引き上げられ、スタート時の加速度は3.75Gに達しました。垂直タワーは直径39.7mのループに変更され、頂点（地上から約49m）に達すると時速30kmまで減速し、上下逆さまの状態で止まりそうな感覚が味わえるスリル満点のコースとなりました。

スタートすると「乗車中は、頭を枕につけ、正面を向き、安全ハーネスにしっかりとおつかまりください。」というアナウンスが流れ、トンネルの中へ移動します。移動中は「ドドンドンパ！ドドンドンパ！」という音楽と共に赤色LEDが流れ、「時速180kmの興奮を、皆様にお届け致します。ド・ドドンパ、出発だ！」というアナウンスが流れます。そしてカウントダウン「3,2,1,ドドドンパァ!!」で発射し、最高速度に達します。その後はゼロGフォール、大半径カーブ、大型ループを通過してフィニッシュとなります。

2024年3月13日、ド・ドドンパは営業を終了し、24年の歴史に幕を閉じました。

主な変更点

加速の向上: 1.8秒で172km/hから1.56秒で180km/hにパワーアップ
大型ループ: 高さ52mの垂直タワーから高さ49mの大型ループに変更（直径39.7m）
トンネルの変更: ゼロGフォールと垂直タワー後のトンネルがアクリル製から通常トンネルに変更
車両の変更: 安全バーが腰から足首までを固定するタイプから肩から腰までを固定するハーネスタイプに変更
駅舎の変更: 入口が高飛車側に変更、乗車口が進行方向右前方に変更、左側に巨大ビジョンを設置
ライドフォトカメラの変更と増設: 撮影箇所が3ヶ所に増加

事故とトラブル

ド・ドドンパは、その驚異的な加速力ゆえに、開業当初から事故やトラブルが相次ぎました。2017年にはループを回り切れずに逆走するトラブルが発生し、2020年以降には乗客が頚椎や胸椎を骨折する事故が多発しました。これらの事故を受け、2021年8月12日から運行を休止し、原因究明のための調査が行われました。しかし、安全な運行を確信できる手段が見つからず、2024年3月13日に営業終了という決断に至りました。

その他

ド・ドドンパはその独特なネーミングや、発射時のカウントダウンなど、様々な話題を提供しました。また、数々のイベントやコラボレーションも実施され、多くのファンに愛されました。現在はその姿を見ることはできませんが、富士急ハイランドの歴史に深く刻まれたコースターとして、多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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