ニンテンドーDSブラウザー

ニンテンドーDSブラウザー

ニンテンドーDSブラウザーは、任天堂とOpera Softwareによって開発された、ニンテンドーDS向けのモバイルウェブブラウザです。基盤となるのはOperaのバージョン8.5で、特にモバイルデバイスに特化した構成が施されています。このブラウザーは、2006年7月24日から日本でオンライ販売が開始され、同年10月からは店頭でも販売されましたが、2014年にはオンラインサービスが終了し、使用できなくなりました。

主要機能

ニンテンドーDSブラウザーは、HTML、XHTML、CSSを解釈し、一部のJavaScriptを実行することが可能です。これに加え、JPEG、PNG、GIF形式の画像を表示し、TLSやcookieにも対応していますが、電源を切ると保存していたcookieが失われます。動画や音声、Flash、PDF、Javaアプレットには対応していないため、ウェブ上の多様なコンテンツを使うには限界があります。

特に日本市場向けに設計されているため、JIS第2水準までの漢字やISO/IEC 8859-1+αの文字をサポートし、日本語や主要な欧文のウェブページを表示できます。さらに、UTF-8、UTF-16、国際化ドメイン名にも対応していますが、一部の文字が表示されない問題も抱えています。

ネット接続に関しては、DS本体に内蔵されている無線LAN（IEEE 802.11）のみが使用可能で、家庭や公共の無線ネットワークを介してインターネットに接続できます。設定済みのゲームソフトを利用することで、無線設定を流用することもでき、その利便性が評価されていました。しかし、最大スループットが2Mbpsである一方、実際の読み込み速度は約150kbpsに留まり、パフォーマンスは限定的でした。

ユーザーインターフェイス

DSブラウザーは、通常のOperaの機能に加え、ニンテンドーDS本体の特性を生かしたインターフェイスを提供します。特に、横向き表示と縦長表示の2つのモードを持つことで、様々なウェブページの表示に対応しています。また、かな漢字変換や手書き文字認識といった日本語入力機能も提供されており、ユーザーが直感的に操作できるよう工夫されていますが、機能の制約が多く、不便さを訴える声もありました。

メモリー拡張カートリッジ

ニンテンドーDSブラウザーを使用するためには、専用のメモリー拡張カートリッジが必要です。このカートリッジはGBAスロットに装着しなければならず、これがないとブラウザーは起動しません。容量は公表されていないものの、一般的には約10MB程度とされています。電源を切るとこのカートリッジの内容は消えるため、データを一時的に保存することはできません。

ニンテンドーDSiブラウザー

2008年に発売されたニンテンドーDSiでは、DSiウェアとして新しいブラウザーが登場しました。このブラウザーは、DSiの機能強化により、よりスピーディな動作が可能に。しかし、ズーム機能が無くなった代わりに文字サイズの変更ができ、携帯電話向けのサイトに適した縦長モードが設けられています。

批評

ニンテンドーDSブラウザーは、その低い処理性能とビデオ・オーディオ再生機能の欠如から、厳しい評価がのされてきました。多機能なインターネットブラウザと比較すると制限が多く、ユーザーの不満が叫ばれる結果となりました。

ニンテンドーDSブラウザーは、そのユニークなデザインと機能が記憶に残りますが、携帯性を考慮した限界も多く、今後のゲーム機におけるブラウジング機能の発展に期待が寄せられています。

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