Javaアプレットとは？意味をやさしく解説

Javaアプレットとは

Javaアプレットは、ネットワークを通じてWebブラウザに読み込まれ、実行されるJavaアプリケーションの一種です。1990年代後半から2000年代初頭にかけて、Webページのインタラクティブ性を高める技術として注目されました。しかし、セキュリティ上の問題や技術的な課題から、Java 9で非推奨となり、Java 11で廃止されました。

概要

Javaアプレットは、Webページの一部として自動的に読み込まれ、動作する点が特徴です。デスクトップ版Javaの機能をほぼ全て備えていますが、セキュリティ上の観点から、サンドボックスという制限が課せられています。これにより、ローカルファイルへのアクセスや他のサーバとの通信が制限されます。ただし、ユーザーが許可すれば、これらの制限を解除することも可能です。

Javaアプレットを実行するには、WebブラウザがNPAPI（Netscape Plugin Application Programming Interface）をサポートしている必要がありました。しかし、Google ChromeやMozilla Firefoxなどの主要なブラウザは、セキュリティ上の懸念からNPAPIのサポートを終了しました。

歴史

Javaアプレットは、1995年にHot[[Java]]ブラウザで最初に実装され、その後1996年にNetscape Navigatorに搭載されたことで広く普及しました。Webの普及初期において、インタラクティブなコンテンツを提供する重要な役割を果たしました。しかし、当時の技術的な制約から、以下のような問題点も抱えていました。

- ブロードバンド環境の普及前は、アプレットの動作に必要な回線速度が不足していた。
- Java VMの動作が遅く、アプレットの読み込みに時間がかかった。
- 異なるベンダーのJava VM間で互換性の問題があった。

これらの問題から、Javaアプレットは次第に利用されなくなり、FlashやSilverlightなどの他の技術が台頭しました。しかし、オンライントレードのチャート表示、チャット、ゲームなど、一部の分野では利用され続けました。

利点

Javaアプレットには、登場当時画期的だった以下の利点がありました。

- オブジェクト指向プログラミングによる高度なアプリケーション開発が可能。
- HTMLに埋め込むことで、シームレスなアプリケーション配布が可能。
- サンドボックスによる強力なセキュリティ機構。
- クロスプラットフォーム対応で、異なるOSで動作可能。

欠点

Javaアプレットには、以下のような欠点もありました。

- 動画やベクター描画の処理が苦手。
- Javaプログラミングの難易度が高い。
- WebブラウザのJava VMのインストール率が低い。

ブラウザ以外の用途

Javaアプレットは、Webブラウザ以外でも利用できる場合があります。例えば、OpenOffice.orgでは、文書内にJavaアプレットを埋め込むことができました。

セキュリティ制限とその解除

Javaアプレットには、インターネットでの配布を可能にするため、以下のようなセキュリティ制限が設けられています。

- ローカルの資源（クリップボード、ディスク、印刷機能など）へのアクセス制限。
- アプレットのダウンロード元サーバとのみ通信可能。

これらの制限は、ユーザーがポリシーファイルを作成し、特定の操作を許可することで解除できます。ポリシーファイルでは、コードベース（codeBase）または電子署名（signedBy）ごとに許可する操作を規定します。

参照

Web Browser Plugin Market Share / Global Usage

もう一度検索

Javaアプレット