ネカリ

カプコンが贈る対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV』にて初登場したキャラクター。太古より存在するとされる戦士であり、声優は松山鷹志が担当している。

概要

ネカリは『ストリートファイターV』（以下『ストV』）の稼働初期から使用可能な、完全新規のプレイアブルキャラクターの一人として登場した。その正体は「強き魂を喰らう古の戦士」とされており、数百年に一度訪れるという「闘いの刻」と呼ばれる時期に現れる。この時期にネカリが現れることは、同時に世界の危機をも意味するとされている。ネカリに目をつけられ、その襲撃を受けることは、対象が並外れた強者、すなわち真の戦士であることの証とされる。

人間的な理性はほとんど見られず、凶暴で本能のままに行動する性質を持つ。言葉遣いにも特徴があり、語尾を繰り返す傾向がある。ネカリの有する圧倒的な力は、作中では明言されていないものの、リュウや豪鬼が扱う「殺意の波動」と同質のエネルギーである可能性が示唆されている。

物語での活躍

ネカリは予言によってその存在が語られる。ストーリーモードに登場する「予言する戦士」は、ネカリが「赤き力を宿す、惑い進む者（リュウ）」「火の神に仕える者（ダルシム）」「世界を滅びで満たす者（ベガ）」といった強者たちを襲撃し、最終的に彼らを喰らうと予言する。予言する戦士自身もネカリと対峙し、一撃を与えるも力及ばず、魂を喰われてしまう。

ネカリの周囲には、触れた者の精神を汚染する瘴気が常に漂っている。この瘴気に冒された者は、ネカリと同様に強い相手を求めて暴走し始める。魂を喰らうという行為は、腕を粘土状に変化させ、相手を包み込んで自らの体内に吸収する描写で表現される。

『ストV』のゼネラルストーリーでは、最初にナッシュの意識世界に羊のような姿で現れ、泥の中からネカリへと変形し、ナッシュの「彷徨う執念」を喰らおうと襲いかかる。

予言通り、リュウとダルシムがいるインドに出現し、リュウに襲いかかる。力を解放し、周囲に瘴気を展開したことで、リュウの中に潜む殺意の波動を覚醒させてしまう。殺意の波動に飲み込まれそうになったリュウを止めたダルシムと戦う最中、シャドルーの「黒い月」による日食が発生すると、ネカリは「ゲテペ」という言葉を残し、泥となってその場から消失する。

その後、シャドルー基地でのベガとナッシュの戦闘の最中に再び現れ、予言された通りベガを襲撃するも、強力なベガの前には敗北し、再び泥となって姿を消した。

三度リュウの前に現れ、激しい死闘を繰り広げる。しかし、殺意の波動を完全に克服したリュウの渾身の一撃を受け、その奔流する強大な力を失ってしまう。自らの腹に収まらないほどの力を持つリュウが単なる餌ではないと悟ったネカリは、泥となって消滅し、二度と姿を現すことはなかった。

一方、豪鬼のストーリーモードでは、豪鬼を喰らい体内に取り込むことに成功するが、取り込まれたことで殺意の波動を極限まで高めた豪鬼によって、内部から肉体を破裂させられてしまうという結末を迎える。

魂が存在しない、殺意の波動そのものとも言える存在「影ナル者」に対しては、「眠れ」とだけ言い放つ。

戦闘スタイルと技

ネカリの戦闘スタイルは、見る者に圧倒的な力を感じさせるパワフルなもの。突進技やコマンド投げ、地面を叩きつける衝撃波など、重く強力な攻撃が特徴である。しかし、見た目に反して移動速度は速く、高い機動力も持ち合わせている。

Vトリガーを発動すると自身の能力が強化されるが、その効果は一度発動するとラウンドが終了するまで継続するというユニークな特性を持つ。Vトリガー[I]「力の奔流」では特定の技が強化され、新必殺技「煙纏う鏡」が使用可能に。Vトリガー[II]「力の迸発」では異なる技が強化され、新必殺技「黄金の心臓」が使えるようになる。

主要な必殺技としては、前方に素早く移動し切り裂く「円盤の導き」（飛び道具相殺効果あり）、対空技として機能し無敵時間を持つ「猛る灯火」（バージョンによって無敵属性が異なる）、地面を踏み鳴らして衝撃波を起こす「勇猛なる決起」（衝撃波は飛び道具相殺、強版は追撃可能）、相手を掴んで地面に叩きつけるコマンド投げ「大地の仮面」などがある。

Vスキルも[I]「力の集約」（地面に腕を叩きつけ、離れた場所から衝撃波を発生）と[II]「地を這う獣」（低速で地面を這う飛び道具）の二種類から選択可能で、それぞれに応じた連携技も存在する。

クリティカルアーツ「名誉の儀式」は相手を地面に引きずりながら壁に叩きつけ、連続攻撃で締めくくる大技。Vトリガー発動中は「魂の献上」となり、相手に赤黒い気を打ち込む演出に変化する。

登場作品

- ストリートファイターV
- モンスターストライク
- グランブルーファンタジー

これらの作品に登場し、その圧倒的な存在感を示している。

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