ノッキングポイント

ノッキングポイント：アーチェリーの名に相応しい、華麗なる競走生活と惜しまれる引退

2020年1月30日生まれの競走馬、ノッキングポイント。その馬名は、アーチェリーの矢を弦にかける位置を意味し、その名の通り、力強く、そして正確な走りで多くのファンを魅了しました。2023年の新潟記念優勝は、彼の競走生活における最高峰の輝きと言えるでしょう。

2歳時（2022年）のデビュー戦は、東京芝1600mの新馬戦。1番人気に応え、3馬身差の圧勝劇で鮮やかにデビューを飾りました。続くサウジアラビアロイヤルカップでは4着と結果を残せませんでしたが、その潜在能力の高さを示唆する走りでした。

3歳時（2023年）には、ジュニアカップで不利を受けながらも、続く3歳1勝クラスで2勝目を挙げ、勢いを増していきます。毎日杯ではシーズンリッチに半馬身及ばず2着。東京優駿（日本ダービー）では15番人気ながら5着と健闘し、その実力を改めて証明しました。そして迎えた新潟記念。好位追走から直線で鋭く脚を伸ばし、最後はユーキャンスマイルの追撃を1馬身差で退け、念願の重賞初制覇を成し遂げました。しかし、続く菊花賞では15着と大敗を喫し、クラシック戦線での活躍は叶いませんでした。

4歳時（2024年）は、金鯱賞、新潟大賞典と出走するも思うような結果を残せず、七夕賞では3着と好走を見せましたが、レース後に右前繋部浅屈腱炎を発症していることが判明。その後、精密検査の結果、右前脚の繋靱帯の損傷が確認され、調教再開まで1年を要する見込み、加えて屈腱炎の再発リスクも考慮し、7月18日に現役引退が発表されました。

ノッキングポイントの血統は、母チェッキーノが2016年のフローラステークス勝ち馬、優駿牝馬（オークス）2着馬であるという華麗なもの。祖母ハッピーパスも2003年の京都牝馬ステークス勝ち馬という、まさにサラブレッドの血を受け継いだ名門の血統でした。さらに、半妹には2024年の優駿牝馬と秋華賞を制したチェルヴィニア（父ハービンジャー）がいます。

惜しまれつつも幕を閉じたノッキングポイントの競走生活。新潟記念での優勝は、彼の競走馬としての輝かしい記憶として、そして多くのファンにとって忘れられない感動として、長く語り継がれていくことでしょう。引退後は乗馬として第二の人生を歩む予定ですが、その繋養先は現時点では未定です。彼の今後の活躍にも期待したいところです。

彼の競走成績はJBISサーチ、netkeiba.comなどで確認できます。

もう一度検索