ノルウェーサーモン

ノルウェーサーモン：養殖の歴史から食卓へ

ノルウェーサーモンとは、タイセイヨウサケ（アトランティックサーモン）のうち、特にノルウェーで養殖されたものを指します。その養殖の歴史は意外と古く、1959年にデンマークから紹介されたニジマスの養殖が始まりでした。ニジマスが海水にも適応することから、海面養殖がスタートし、1970年にはアトランティックサーモンの養殖場がヒトラ島に誕生しました。

日本への輸出と生食文化の普及

1985年、ノルウェーサーモンは初めて生食されるようになります。日本への輸出は1980年代、「プロジェクト・ジャパン」としてノルウェー水産省が主導しました。寄生虫の心配が少ない安全なサーモンとして、ニチレイが協定を結び、寿司店を中心に販売を拡大。回転寿司の普及とともに、ノルウェーサーモンは日本人の食卓に定着していきました。

養殖管理と生産量

ノルウェーでは、2006年に施行された養殖法に基づき、養殖業が厳格に管理されています。養殖魚の生物量上限などが定められ、持続可能な養殖を推進しています。2022年時点での生産量は約150万トン。ノルウェー水産物審議会（NSC）によると、2021年の日本への輸出量は約5万トンでした。

世界市場と中国の台頭

近年、ノルウェーサーモンの輸出先として、中国が急速に存在感を増しています。2023年1月から7月期には、日本や韓国を抜き、アジア最大の輸出先となりました。

食用としての特徴

サーモンは、高タンパク質でオメガ3脂肪酸を豊富に含む、栄養価の高い魚です。ノルウェー産の養殖サーモンは、天然サーモンと比較して環境汚染物質の含有量が少ないという特徴があります。一方、天然サーモンはオメガ3脂肪酸をより多く含んでいます。

安全性について

生のサーモンには、アニサキスという寄生虫が含まれている可能性があります。しかし、ノルウェーから輸入されるサーモンは、徹底した管理により寄生虫のリスクが低く、安心して生食できます。1980年代後半に無寄生のノルウェー産サーモンが登場するまで、日本では生のサーモンを食べる習慣は一般的ではありませんでした。

料理のバリエーション

サーモンは、刺身、寿司、ムニエル、焼き魚など、様々な料理で楽しむことができます。特に、とろけるような脂ののったノルウェーサーモンは、刺身やお寿司に最適です。

関連項目

サケ
ビョーン・エイリク・オルセン

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